ホンダ色といえばF1優勝の「白」
ホンダでは『タイプR』シリーズに共通する、専用色『チャンピオンシップホワイト』も忘れてはいけない。
1992年のNSX・タイプRを皮切りに1995年にはDC2型インテグラ・タイプRに追加、そして1997年にはEK9型シビック・タイプRとラインナップを増やしていった。いずれの車種も他グレードに設定された白とは名称から異なっており、ルーツはホンダがF1で初優勝したときのマシンからとのこと。
いずれにもチャンピオンシップホワイト以外の色はあったが、現中古車として出まわっている個体を見る限り、この色がイチバン人気だったことは想像に難くない。以前はタイプRが存在しなかったEG6型シビックなどで、ボディをチャンピオンシップホワイトに全塗装したうえ、ステッカーやトレードマークの赤いレカロシートやチタン製シフトノブを流用し、擬似『タイプR』に仕上げたクルマも全国各地で目撃されていたほどの人気である。
なおタイプRが設定されていない現行型のNSXでは、ホンダのお膝元である鈴鹿サーキットのコーナー名に由来した、純白の『130Rホワイト』が設定されている点にも注目。
マツダの魂が宿る「赤」
最近では車種こそ限定されていないものの、マツダの赤も誇りとコダワリの結晶だろう。
高級感と独特の雰囲気で大人気となったカラーは一般に『ソウルレッド』と呼ばれており、実際には『ソウルレッド・プレミアム・メタリック』と『ソウルレッド・クリスタル・メタリック』の2種類がある。時系列でいえば先に登場したのが『プレミアム』で、そこから派生したのが『クリスタル』と考えていい。
塗装色そのものの話だから『名車』という括りからは外れるかもしれないが、ソウルレッドに使われている数々の最先端技術や塗装工程の複雑さ、パッと見じゃ違いが分かりにくい2色をあえて併用させていることは、十分すぎるほどのコダワリといって差し支えない。