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嗚呼、懐かしの「SSR」「弥生」「エクイップ」! 「昭和系ホイール」が令和になっても大人気の理由

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TEXT: 増田髙志  PHOTO: タナベ/ワーク/GT-Rマガジン編集部

この記事をまとめると

■当時流行ったホイールがリバイバル
■人気だったホイールの復刻品は即完売
■往年の雰囲気はそのままに最新技術を投入

近年の熱狂的「ネオクラ」ブームはホイールにも

 毎年新作のアルミホイールが登場するなかで、今ジワジワと流行っているのが「昭和系ホイール」だ。1970~1980年代に発売されたモデルたちのことで、当時一世を風靡した若者たちの憧れと言っていいだろう。近年の「ネオクラ」ブームもあり、注目度が高まっているのだ。レイズのボルクレーシング「グループC」とその進化版としての「21C」

 当時のデザインをオマージュして再販したものや、さらに現代の技術で進化させたものもある。また、旧車に「当時モノ」を履いたスタイルを貫くクルマもある。奥深い「ヴィンテージホイール」の世界だが、今手に入るモデルについて、ここで紹介していきたい。

 

クルマの「改造」が若者に流行り始めた「あの頃」

 クルマもバイクも旧車が大人気である。現役時代に輪をかけて確実に勢いを増している。とくに国産車の場合は、昭和に登場したクルマの活気が凄まじい。その傾向は当時流行っていたクルマいじりにも大きく関係していると思う。

 まだ「ドレスアップカー」という小洒落た用語がなくて「改造車」といった後ろめたい言葉で片付けられていた時代の話だ。今ではクルマ好きが当たり前に……、というよりもあえて悪っぽさや懐かしさを込めて使っていたりする「シャコタン」という言葉が生まれたのもこのころで、漫画のタイトルに用いられるほどパンチのあるワクワクする言葉だった。旧車向けに当時流行ったホイールが再販され人気を集めている

 当時はクルマに手を加えるにあたって、唯一のお手本となっていたのがサーキットを疾走するレーシングカーで、もはやネタ元はこれしかない。そしてインターネットは言うに及ばず、携帯電話もなかった時代なので、一般ユーザーにとっての情報源は自動車雑誌、ただそれだけというのが実情だった。アルミホイール、チンスポイラー、ウイング、それにビス止めオーバーフェンダーなど、速さのために武装されている競技用パーツに若いクルマ好きは魅了された。それらの刺激的な力を借りることで自分のクルマを主張する、という流れである。

 

市販ホイールは「競技」用から「街乗り」用へ

 なかでもホイールは手軽に装着できるばかりでなく、イメージチェンジの効果も大きいので、とくにユーザーからの注目度は高かった。

 競技のためのホイールをヒントに、街中で使うことを前提としたホイールが数多く登場してきたのだ。デザイン的にはスパルタンな造形が大半を占めていて、それらは荒削りな分、異様なまでの迫力や熱気に満ちあふれていた。その一方でどこか近未来的なアバンギャルドさを漂わせる弾けたカタチも目立っていた。レイズのボルクレーシングTE37を旧車向け風に深リムにしたTE37V

 ノーマルサイズよりも太いタイヤを履くことが前提になるので、リムは段を付けて奥行きを稼いでいるステップリムが主流なことも印象的。ディスク面のデザインばかりでなくリム幅も見逃せないポイントで、その深さが改造のやる気を測るバロメーターにもなっていた。 

 こうした1970年後半から80年代にかけてクルマ好きを虜にした情熱的な「ヴィンテージホイール」が、現在の旧車人気にあやかって、激しく注目されている。

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