戦略が奏功「24番手」から追い上げのレースが繰り広げられる
アメリカで最も人気のある自動車レース「NASCAR(ナスカー)」。その3大カテゴリーの最上位に君臨する「カップ」を筆頭に、その下位シリーズの「Xfinity(エクスフィニティ)」、そしてピックアップトラックによる「Camping World Truck(トラック)」の各マシンが、楕円形のオーバルコースでクラッシュ必至の壮絶なバトルが繰り広げられている。
抽選により7番グリッドから3ステージの決勝レースがスタート
このナスカーにインディカーシリーズへの参戦経験を持つ服部茂章が代表を務める「HATTORI RACING ENTERPRISES(HRE)」が、ドライバーにオースティン・ヒル選手を起用してゼッケン16のトヨタ・タンドラを走らせている。
最終ステージはエンジン不調を抱えながら上位進出へ追い上げを開始
続いて第2ステージのグリーンフラッグが振られる。残り23周でのステージチェッカーを目指す16号車は拮抗したトップ争いを展開。第2ステージのチェッカーを受けたところでヒル選手から、エンジンからの異常なバイブレーションを訴える無線が入る。このステージブレイクのピット作業で、チームは給油と4本のタイヤ交換、エンジンへのできる限りの対策を施してコースに復帰させる。しかしこの作業によって最後尾の24番手から最終ステージへと向かうこととなった。
最終ステージのグリーンフラッグが68周目に振られると、ヒル選手はそこから果敢にアタックを続け、75周目には15番手、86周目には11番手までポジションを挽回。そして95周目を迎えたところで「ここで給油すればゴールまで走り切れる」とチームは判断。他車より早く16号車にピットインを指示。給油と4本のタイヤ交換、その他微調整を行いマシンをコースに戻す。順位は30番手にまで落とすことになったが、ここから周回を重ねるごとに他車も続々とピットイン。125周目には再び11番手まで戻すことに成功する。
大胆なタイヤ交換戦略を実施して見事3位でチェッカー!
その後127周目に後続のクラッシュがありイエローコーションとなる。ここではすでに各車がゴールまで走り切れる給油を終えており、ピットに戻る車両こそ少なかったものの、HREチームは16号車にピットインを指示。4本のタイヤ交換だけを行いコースに戻すと、ヒル選手は12番手から既定の周回数を越えたオーバータイム+2周のゴールを目指す。
今回も着実にポイントを積み重ねたことでシリーズランキングは3位に浮上。次戦は5月7日に開催さえる「LiftKits4Less.com 200」は昨年トップ争いを演じたダーリントン・レースウェイでの開催となる。次こそは悲願の今季初優勝を狙う!