ここがダメ!その3:「充電口と充電器の相性」
また、充電スロットのレイアウトはさまざま。場所によって状況が変わる上に車両の充電口のレイアウトによっては大問題に発展する。基本的に急速充電器側に充電口を寄せて停めるわけだが、急速充電口が乗降側にあれば自身の乗降用にそれなりにスペースを開けているので問題はない。しかし、充電口が反対の助手席側にあると、乗降用のスペース確保はもちろん、充電プラグを指すために車いすで動く動線も確保しなければならないのだ。車両の前部に充電口がある場合も、車止めが設置されていたりすると、車いすの導線を確保するために車両を少し離して停めても車止めが邪魔になって車両前部に行けないということもあるようだ。
充電器の操作も操作手順として、充電プラグをクルマに挿してから本体のパネルを操作することになる。充電器の周りを自由に動ける健常者なら問題ないが、そのレイアウトによっては充電プラグとコードが邪魔して操作パネルに近づけない、もしくは「操作した後ケーブルなどが邪魔でクルマ周辺から離れることができない」なんてことにもなりかねないのである。
まとめ:設置することを優先しているのはわかるが問題は山積
実際に街の急速充電器を見てみると、とりあえず設置することを最優先していて、まだまだユーザー視点で設置されていないことに気が付くはずだ。これは車いすユーザーに優しくないイコール高齢者にも優しくないのである。この問題を「どこに言えばいいのだろうか?」と青木選手は訴える。カーメーカー、充電器メーカー、そして設置者と設置業者、さらには国交省や経産省と一緒に考えていかねばならない問題、なのだろう。EVの本格普及を前に、この問題が早く解決することを期待したい。