不人気にもほどがある国産旧車を振り返る
現在「ネオヒストリックカー」と言われる平成の国産旧車が人気だ。だが、中にはほとんど売れなかったモデルも結構ある。そこで、どうして売れなかったのか?」を振り返ってみよう。もし中古車屋で見つけたら、即ゲット!? しても、値段は上がらないかもしれない……。※台数は国産各自動車メーカー調べ。一部メーカーは日本自動車工業会のデータを参照
ホンダMDX:1502台
MDXは「アキュラ」ブランドで大成功を収め、日本にも上陸。だが、500万円級の価格や2m近い全幅が災いしたのか、4年間で1700台という限定台数も消化できず、あっというまに姿を消した。しかし、4WDシステムは走破性に優れたVTM-4を採用するなど、中身は本格派だった。世界的にはセールスは好調だった。
スズキX-90:1348台
このクルマ「Tバールーフを持つ雰囲気重視のオープンスペシャリティカー」かと思いきや、ベースはなんとラダーフレームの初代エスクードで、駆動方式もFRベースのパートタイム4WD! そのため、最低地上高や全高も妙に高いのだ。もう少しカッコよければ、雪道や林道にも対応するスペシャリティカーとして生き残れたかも?
スバル・インプレッサスポーツワゴングラベルEX:約1300台
初代インプレッサスポーツワゴンの車高を上げ、カンガルーバーなどを備えたクロスオーバー。同時期に出たレガシィグランドワゴンがそれなりに売れたことを考えると、コンセプトは間違っていなかった。だが目立ち過ぎるスタイルやラゲッジの狭さが仇となったのか、販売台数は約1300台。現在のスバルXVのご先祖的モデル。
日産ブルーバードオーズィー:990台
8代目のモデル末期に追加されたオーストラリア製5ドアセダン。当時日産はプリメーラ等にも5ドアセダンを設定しており、普及に努めていたのだ。オーズィーはスポーツセダンを目指したようだが、スタイルと価格の高さがネックだったのか鳴かず飛ばず。その後5ドアハッチバックのトヨタ・プリウスが大ヒットしたのを見ると、出るのが早すぎた?
トヨタ・メガクルーザー:133台
「何に使うためのクルマなの?」」と感じるメガクルーザーだが、主な役割は陸上自衛隊が使う高機動車のベースシャーシ。中身は超を3つ付けたいくらいの本格派で、420mmの最低地上高、インボードブレーキ(最低地上高の確保とも関連)、4WSなどを備える。陸上自衛隊の高機動車を見たときには、メガクルーザーを必ず思い出そう!
マツダ・プロシード・キャブプラスワイルドブリーズ:50台
プロシードがマツダのピックアップトラックなのが分かる人でも「キャブプラス」と「ワイルドブリーズ」の意味がわかる人は少ない? 「キャブプラス」はフロントシートの後ろに人が乗れるスペースがあるボディのことで、「ワイルドブリーズ」は荷台にキャンプ用テントや作業灯を備えた限定車。車中泊が流行っている今なら需要は意外にあったかも? ※写真は当時のプロシード。
自治体や公益企業向けに50台限定で発売された超低燃費車。ミニカの全長を45mm伸ばし、アイドリングストップ付きの1.1L直噴GDIエンジンを搭載していた。10・15モード燃費は30km/Lとかなり燃費がいい。それ以上に驚くのが販売台数で、たった40台! せっかく作ったのに買わなかった自治体、ヒドい!