夫婦それぞれの愛車はイジるのが当たり前!
クルマが好きでドレスアップやチューニングを楽しむ。立派な趣味のひとつだが、先立つものを考えると、家族を持つ、もしくは子供が生まれるなどのタイミングで、一旦離れる人が多い。しかし中には25年以上クルマのカスタマイズを続け、今なお自分でエアロを製作するほど、どハマリしている夫婦もいるのだ。もはやドレスアップすることが日常となった野々瀬茂樹&麻美夫妻の足跡を追ってみよう。
免許を取った瞬間からクルマを楽しみ始めた
とある閑静な住宅地。一軒家の駐車場にはアウディA4とフィアット・グランデプントが並ぶ。野々瀬茂樹さんはごく一般的な会社員であり、妻の麻美さんとふたりの子供と幸せな家庭を築いている。
ただ少し違うのは、このご夫婦が超絶と言っていいほどの「ドレスアップ大好き人間」だということ。それも結婚前の10代の頃からふたりは共にクルマをイジってきた。そして25年以上経った今も「クルマに手を加えること」に対する情熱は変わらない。
「19歳で免許を取って、最初に乗ったのは70スープラでした。その頃はドリフトが好きで、ドレスアップよりチューニングに目が向いていたのです。2台目のスープラに乗っていたときに、たまたま弟がドレスアップ系の『af the stage』という雑誌を買ってきて、そこからスタイルアップにハマって行きました」と茂樹さん。その後ホンダ・アコードに乗り替え、雑誌のコンテストにも出るようになった。
一方の麻美さんが最初に手に入れたのがホンダ・ビート。当然のように足まわりやエアロにも手を加えていた。大学卒業と同時にVWポロに乗り替えたのだが、その理由がまたおもしろい。
「輸入車なんてと周囲には大反対されました。ホンダ・ロゴが気になっていたのですが、乗っている人が多くて、人と違うクルマを探して出会ったのです」
麻美さんはこのVWポロを12年間乗り続けた。輸入車カスタムの専門誌である「af imp.(オートファッション・インプ)」のコンテストに出場し、2002年1月には月間1位を獲得。年間でも6位に入賞している。
結婚後も出産後もドレスアップ熱は冷めやらず
長年交際していたふたりが結婚したのも2002年。そして長女が生まれて3カ月後に茂樹さんは念願のアウディA4を入手。エアロからホイール、足まわり、内装まで手を加え、2010年7月にコンテストで月間1位に輝いた。
「子供が小さいうちじゃないとクルマにお金を掛けられないとA4を手に入れました。結局、娘たちが大きくなった今も同じことをしていますけど」
茂樹さんはアウディA4の後、VWトゥーランに乗り替える。当初、子供が大きくなるからそろそろミニバンということで、アルファードなども考えたらしい。しかし「走ることを楽しめるクルマじゃないときっと飽きる」という妻の言葉でトゥーランを選んだそうだ。
麻美さんはポロからフィアット・グランデプントへ。ちなみに麻美さんは大のMT(マニュアルトラン主ミッション)好き。当然グランデプントもMTを選んだ。そしてここから、夫妻は前出の「スタイルアップ・カー・コンテスト」で目覚ましい成績を収めている。
茂樹さんのVWトゥーランは2014年5月の月間1位(2014年度8位)、2017年4月の月間1位(2017年度4位)。
一方、麻美さんのグランデプントは2015年12月の月間1位(2015年度4位)。この年間4位というポジションがどうしても悔しくて「年間で優勝したい」と決意した麻美さん。フロントを大改造して2019年度で見事王者に輝いた。