常にタイムアタックするわけではない
また毎周のようにタイムアップを追求しコーナリング速度を上げ、ブレーキングポイントをどんどん遅らせていったら、曲がり切れなかったり止まり切れなかったりでクラッシュ。タイヤもブレーキも走れば走るほど熱を持ち、性能は低下するのだから冷静に考えれば当たり前と分かる。
ドライビングに限らず集中するのはいいことではあるのだけれど、ことわざの「過ぎたるは及ばざるが如し」を忘れないように。メンタル的な部分でのメリットも少なくないからだ。
最初のうちは走るたびタイムアップしていたのに、ある一定のところから伸び悩んで面白くなくなったり、誰かと比べて「こんなタイムじゃ恥ずかしい」と感じてしまい、サーキットへ行くのが重荷になった経験を持つ人もいるはず。そんなときはタイム計測をするのをやめたり、ラップボードをあえて見ないようにするのも手だ。
初めて走ったときは直線でアクセルを床まで踏んだり、コーナーでちょっとリヤをスライドさせただけでも、興奮してテンションが上がっていたのを思い出してみよう。よく聞く話ではあるけれども、冷や汗をかくような怖い思いをしながら走っても、意外とタイムが出ていないどころか逆に遅い場合もある。タイムを出さなきゃ罰金を取られるワケでもないのだし、自分を追い込みすぎて楽しさを忘れては意味がない。
適度な「力の抜き方とタイミング」を学ぶことが、速く安全にかつ長くサーキットを楽しむ秘訣ではないだろうか。