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ツインモーターの「化け物」リーフで参戦! 奴田原文雄選手がパイクスピーク参戦マシンをシェイクダウン

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

 

2021年大会用のニューマシンをシェイクダウン

 そして2021年大会に向けて再び車両を製作し、5月7日、埼玉にあるGOLDEX本庄モーターパークでシェイクダウンを行った。

 今年のパイクスピークのマシン「NISSAN LEAF e+ KAI」である。KAI(改)とあるように、普通の日産リーフとは異なる。ベースとなるのはリーフe+である。これを2台用意し、モーターとインバーターを片方に移植。モーター2基で前後の軸を駆動させる4WDモデルに改造しているのだ。駆動バッテリーはリーフe+に搭載していた62kWhのものを使用(1台分のみ)。ふたつのモーターは独立制御はせず、フロントの信号をそのままリヤにも送って、デフロックのような状態で4輪を駆動させる。左右の回転差収束には減速ギヤのケースに1.5WayのLSDを収めている。

 外装については、ドアパネルとルーフに植物バイオマスから取り出した天然由来の繊維である大王製紙の「セルロースナノファイバー(CNF)」を使用。ルーフ部分には大きく穴が開けられ、荷室上部に置いたリヤの駆動モーター&インバーター冷却用のラジエータに送風するようにもなっている。また、バッテリーを冷やすためサンデン製の冷却システムを搭載。バッテリー冷却用ラジエータをリヤ下部に装着しており、後席ウィンドウから外気を直接ラジエータコアに当てるような仕組みともなっている。

今後のスケジュールはどうなる?

 シェイクダウンではマイナートラブルが頻発。予定していたテストがこなせなかった部分はあったものの、課題も見つかったという。この「NISSAN LEAF e+ KAI」は、この後すぐにアメリカに向けて送られることになっており、すでに現時点で輸送の途に就いている。アメリカ入国後に協力ファクトリーで、車両のカラーリング、そして今回のテスト結果を反映させた最終仕上げを行なう予定となっている。

 今年で99回目を数える「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」。エントリーリストは、5月6日にアップデートされている。今回の参戦台数はこの時点で63台。EVは奴田原選手のリーフ改以外にテスラモデル3が3台エントリーしている。そのうちの一台は吉原大二郎選手(#90 2018年式Tesla Model 3)である。現在アメリカ在住でフォーミュラDシリーズに参戦しながら、一昨年のパイクスピークにトヨタ86で初参戦。ルーキーながら予選7番手のタイムを出し(決勝はマシントラブルでリタイア)、昨年はクラス優勝(アンリミテッドクラス/総合9位)を果たしている。

 他にも、パイクスピークで”山の男”の称号を手にしているリース・ミレン(#8 2021年式Bentley Continental GT3)やロマン・デュマ(#38 2019年式Porsche 911 GT2RS Clubsport)の参戦も発表された。他にもインディドライバーのJ.R.ヒルデブランド(#99 2021年式Dallara DW12/IR18)や、地元デンバー出身ラリークロス・ドライバーのタナー・ファウスト(#34 2020年式Porsche 718 Cayman GT4 Clubsport)などの名前も挙がっている。

 パイクスピークは現地時間6月21日(月)に車検日となり、22日(火)から4日間練習走行日が設けられ、6月27日(日)に決勝レースが開催される。

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