「ウデ自慢」なら一度は参加してみたいサーキットのタイムアタック
レースと違い他のクルマと接触する可能性が少なく、ビギナーでも気軽に参加しやすいタイムアタック。なかには自分のタイムが「正式な記録」として残る、サーキット公認のタイムアタックもあるという。開催している場所や参加方法、面白さをリサーチしてみたい。
サーキット公認で誰もが競える
最初は走るだけで楽しく満足できるサーキットも、慣れてくると何かしらの目標が欲しくなる。もっとも分かりやすいのはラップタイムで、ウデが上がったことを自覚する指針のひとつだ。
そんな走り好きにオススメしたいのが、サーキットが公認するタイムアタックのイベント。代表と呼べるのは筑波サーキットのコース2000での「筑波職人GP」とコース1000での「筑千職人GP」だ。
前者は夏ノ陣と冬ノ陣とで半期ごとに分けて開催。後者は春ノ陣・夏ノ陣・秋ノ陣・冬ノ陣と年4回開催される。いずれも4輪ファミリー走行のYおよびEに参加する人が対象で、走行の受付時にエントリーの旨を伝え計測器を設置してタイムアタックするだけと非常にカンタン。
あとは走った結果がランキングとしてウェブサイトに反映され、期間(夏冬とも3カ月)内の最速タイム保持者が「筑波職人」として認定されるのだ。
西日本では鈴鹿ツインサーキットが公式タイムアタックを実施しており、参加の手順やタイムの公開に関しては筑波サーキットと同様。いずれも1日限りのイベントではないのが大きな特徴で、サーキットの会員走行やフリー走行の枠内で行なわれるため、参加する側がスケジュールを調整しやすいのも嬉しいし、マイペースで走れるのも初心者にとってはメリットだろう。詳しくは両サーキットのウェブサイトで確認して欲しい。
モータースポーツ登竜門のJAF戦『サーキットトライアル』
これらの次なるステップに最適なのが、JAF公認競技としてのタイムアタックだ。正式には「サーキットトライアル」と呼ばれており、1997年にスタートと歴史はまだまだ浅いけど、敷居の低さからモータースポーツの登竜門となっている。カタチとしてはいわゆるフリー走行が2回で、そのなかで記録したタイムにより順位を決定。パワーや排気量で極端な差が付かないよう、ある程度はクラス分けされ、イコールコンディションとはいえないが一定の均衡が保たれ、同クラスのライバルたちと接触の危険性が少ない状態でのバトルを楽しめる。
保安基準を満たしているのは大前提として車両規定も他のカテゴリーより緩く、専用のマシンを用意する必要がなく街乗りに使っているマイカーで参加が可能。さらに自分のタイムがJAFの公式な記録として残されるうえ、上位の入賞者にはトロフィーやメダルが授与される。レースより安全でジムカーナより手軽かつローコスト、かつ公認競技としてのステータスまで手に入るのだ。
参加するには国内B級ライセンスが必要とはいえ、取得の費用も手間も大したことはないので、ウデ試しを兼ねて是非ともチャレンジしてもらいたい。サーキットトライアルはJAF公認コースの多くで開催されており、スポーツランドSUGO/筑波サーキット/岡山国際サーキットは、統一したルールが設けられ多くのドライバーとしのぎを削りあうことができる。
クラスは軽自動車から電気自動車まで9つに分けられ、Sタイヤを始めサーキット走行を主目的としたタイヤは使用できず、ランニングコスト的に優しく過度なチューニングも必要ない。エントリー料もレースなどと比べればリーズナブルだし、毎戦ごとにポイントが付与されシリーズ争いも楽しめるのだ。コースが混み合っていないクリアラップのタイミングを見極めたり、1周のアタックに対する集中力はレースの予選とまったく同じ。敷居が低いだけじゃなく将来的にレースへステップアップしても、サーキットトライアルで身に付けたテクニックは間違いなく役立つはずだ。