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真面目に直せば「300万以上」の大出費! 「錆び」が旧車修理の「ラスボス」なワケ

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: GT-Rマガジン編集部/Auto Messe Web編集部

修理よりまずは日常のサビ防止に努める

 もちろんサビは出ないほうがいいわけで、とにかく日常的にサビを発生させない努力をする必要がある。メカにも言えるが、雨でも雪でも快適にドライブして、車庫にそのまま入れても問題なしという今どきのクルマとは違うものとして心得ることが大切だ。

 まず雨の日はできるだけ乗らない。洗車も水を使ってザーザーと流しながらというのはご法度で、細かいキズは仕方がないものとして、濡れたタオルで拭きあげる程度にしておく。またしっかりと汚れを落としたいなら、最近増えている水なし洗車も効果的だ。洗ったうえでワックスやコーティングをしっかりとかけてやる。もし水で洗いたいなら、雨の後も同様だが、開けられるところは開けて換気をしつつ、近所をある程度走って水分を飛ばしたり、熱で蒸発させる努力が必要だ。

雨の中を走るR32スカイラインGT-R 駐車場も下がコンクリートやアスファルトならいいが、湿気が溜まりやすい土や砂利だと下まわりがサビやすい。そんなに違うかと思うかもしれないが、歴然レベルだ。ちなみに自宅の駐車場に自分でコンクリートを流して土を覆ってしまった猛者もいたりする。

レストアが高額なのには納得の理由がある

 まぁ、サビが出てもクルマは走ってナンボという考え方もあって、分かっていれば問題ないというか、旧車の楽しみ方としてありだろう。本当にグサグサになれば直せばいい。とにかくショックなのはピカピカと思っていた塗装にある日突然、膨らみやサビ汁の垂れ、下まわりではサビ穴などを発見したときだ。

サビでフェンダーがグサグサになってしまったところ

 もしサビがどうしようもなくなって補修するとなると、腐った部分を切って新しい鉄板を叩いたりして形を合わせて貼っていくのが普通だ。もちろん費用も安くはない。安くはないのは当然で、とにかく手間がかかる。たとえば、1日8時間、10日間やったとして合計80時間で、時間工賃1万円として80万円。これに税金や材料費などが加わると約100万円となるが、80時間でできる作業なんて限られたもので、大掛かりな作業だと300時間ぐらいなんて当たり前で、フルレストアになるとどうなることやらだ。冒頭のそこそこの金額でフルレストアを謳うのはあり得ないということをわかってもらえるだろうか。

R32スカイラインGT-Rがフルレストアのためにバラバラになったところ

 もちろんそのまま請求したところで、気前よく払ってくれる人はほんのひと握りで、最近は「騙しているのでは?  ほかの店はもっと安くやってくれると言っていた」などとごねられることも当たり前。そんなワケで「旧車はやりたくない」というプロが増えている。

まとめ:これから入手する場合はジックリ見定める

 話は戻るが、サビで泣かないためにも結局はクルマ選びの段階が大切で、できるだけサビが少なくて、履歴がしっかりとしたものを選ぶのが鉄則だ。憧れの旧車を前にして舞い上がってしまうのはわかる。でも、見た目がピカピカだから程度がいいとは安直に思わず、何台も見たり、じっくり探すというのが、結局はサビとの戦いを減らす最大のポイントだろう。

きっちりとフルレストアされたR2スカイラインGT-R完成図

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