この記事をまとめると
■人気のジムニーと輸入SUVを比較試乗
■オフロードではラングラーとジムニーシエラが◎
■ディフェンダーはオンロード性能が大幅向上
復活を遂げたディフェンダー! ラングラー&ジムニーシエラと徹底比較
2016年に生産を打ち切られたランドローバー・ディフェンダーが2020年に復活した。世界的なSUVトレンドをさらに加速させそうな存在であることは既報のとおりだ。
ディフェンダーといえばルーツはれっきとしたワークホース。しかし2020年にデビューした新型は、モノコックボディ、4輪独立懸架サスペンション、豊富な電子デバイスの採用など、同ブランドのディスカバリーに匹敵するほどの先進的なSUVというキャラが与えられた。となると、気になるのはそのパフォーマンス。ワークホースとしての質実剛健さ、タフなオフロード性能や多機能なユーティリティは失われていないか? 従来からのディフェンダーファンをがっかりさせてしまうことはないか? そこで今回は、新型ディフェンダーの実力を探るべく、現行車で最右翼のオフローダーとされるジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコンを同行。 さらにスズキ・ジムニーシエラも加えてオフロード性能を比較。新型ディフェンダーの洗練された乗り味は、自動車評論家各氏にも好評だが、果たしてディフェンダーの名に恥じない性能を備えているのだろうか?
初出:CARトップ2020年12月号
モノコックボディ初採用のディフェンダー
決戦の舞台となる路面は全面ラフロード。大きなギャップの続くモーグルあり、岩のゴツゴツしたダートあり、ヒルクライムあり、と変化に富んだシチュエーションが楽しめるステージ。こんな場所でまず気になるのは3車の対地アングルだ。 フロントバンパー先端のクリアランスを示すアプローチアングル(AA)、リヤバンパー後端のクリアランスはディパーチャーアングル(DA)、そしてお腹あたりのクリアランスはランプブレークオーバーアングル(RA)。これら3つのアングルと、さらに最低地上高もオフロードを走る上では重要なファクターだ。これらの数値を見てみると、突出して優れているのは小柄なジムニーシエラ。AAとショートホイールベースゆえのRAの好数値は、やはりオフロード走行では圧倒的に有利だ。ディフェンダーはAAの数値の低さが致命的だが、最低地上高が他の2台より13~18mmも高い。そのうえディフェンダーはハイテクな車高調整機能付きエアサスペンションを採用しているため、さらに地上高を上げることが可能。最低地上高は最大で(なんだかややこしいが)、なんと291mmも稼ぐことができるのだ! だからこんなオフロードでは、ディフェンダーは車高アップが必須だ。