シーン別比較:モーグル路面
ランドローバー・ディフェンダー110
大きな凹凸路面が続くモーグル地形では、エアサスで車高を上げて対地アングルと最低地上高を稼ぐのが必須。サスペンションは伸縮しなくなりタイヤは簡単に浮くが、そこから電子デバイスが働いてかなり高い走破性を発揮してくれる。その利き方もジムニーシエラに比べて滑らかで自然。気がついたら走破しているといった印象だ。
ジープ・ラングラーアンリミテッド
コイルリジッドのサスペンションはストローク量も長く、片側が縮んだらもう片方が伸びるという特性のためトラクションを失いにくい。ただ深い路面ではタイヤが対角線に浮いてしまう。そんなとき「サハラ」は電子デバイスを装備するが「ルビコン」にはない。ルビコンのみが装備する前後デフロックで脱出しろということか?
スズキ・ジムニーシエラ
優れた対地アングルでボディをヒットしにくいのが特徴。コイルリジッドのサスペンション構造はトラクションを失いにくい。それでもタイヤが対角線に浮くとブレーキLSDが作動。タイヤが空転してもアクセルを踏んでいる限りはトラクションを回復し脱出してみせる。空転からグリップ回復までの時間はディフェンダーより長めだ。
シーン別比較:フラットダート
ランドローバー・ディフェンダー110
オンロードの滑らかな乗り味が特徴のディフェンダーだが、フラットダート走行でも快適な乗り心地を提供してくれる。こんなシーンでは独立懸架式サスペンションのほうが路面追従性に有利だ。
ジープ・ラングラーアンリミテッド
ストロークの長いサスペンションに容量の大きなダンパーの採用で安心感のある乗り心地。キビキビしたハンドリングは得られないが、林道などを長い時間走っても疲れは少なく、クルーズに最適。
スズキ・ジムニーシエラ
路面からのショックを伝えやすく、少しチャカチャカした乗り味。大きなギャップに飛び込んでしまうと、挙動も大きく乱してしまい収まりも良くない。もう少しダンパーの容量が欲しいところ。
シーン別比較:オンロード
ランドローバー・ディフェンダー110
かつてのディフェンダーの普段乗りはまるでトラックのようだった。新型はエアサスを採用してキャラ激変。ランドローバーの兄弟車に匹敵する快適さを実現している。
ジープ・ラングラーアンリミテッド
軍用ジープのDNAを色濃く受け継ぐラングラーもオンロード性能は洗練された。ただしディフェンダーと比べると、乗り心地もハンドリングにもラフさを感じる。
スズキ・ジムニーシエラ
他2台よりも暴れてしまう印象はあるが、先代よりもオンロード性能が磨き上げられた。フロントミッドシップ気味の重量配分でハンドリングも自然になった。