R35発売前にトランスアクスルのシステムを製作
これがなかなか完成度の高い本格派だ。エンジンをシーマ用VK45のV8に換装。GT2540タービンでツインターボ化を行う。さらにフロントヘビーが気になった永田代表はスープラ用のゲトラグ6速MTをリヤのデフに移設。大胆にもワンオフでトランスアクスルのシステムを作った。
「蓋を開けたらV8ではありませんでしたが、R35もトランスアクスルだったのでびっくり。しかもエンジン側に残したクラッチとプロペラシャフトとの接続部分のベアリングがすぐにダメになるところまで一緒で、良いところも悪いところも似ていて妙に手応えを感じました」
R35はさまざまな仕様にして10台を乗り継いでいる。
R32のボディとR35のエンジン&ミッションを融合
R35の弱点を克服した2017年には、R32にVR38のみならず、トランスアクスルも流用したVR32を完成させる。違和感のないエンジンスワップに定評のある永田代表の集大成とも言える作品で贅沢すぎる相棒。これはすごい。
「愛車を作るとすぐに売ってほしいと言われますが、VR32は売りません。一生そばに置いておきます」
現在、新たに加わった永田代表の相棒は、撮影日の1週間前に完成したばかりのR35 MY11だ。
「VR38を体感するとRB26DETTのトルクの細さを痛感します。高回転で威力を発揮するRBは確かに楽しいですが、VR38の3500rpmから 7000rpmまでフルトルクをキープする豪快さは圧巻。同じ600psで比べるとシフトダウンいらずのVRは街中でもサーキットでも扱いやすく、確実に速いですね」