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洗車の神様は「細部」に宿る? 仕上がりを左右する「水滴」という大敵

洗車の仕上げは実は「細部」が一番重要

 洗車でスクラビング(ボディをこすって汚れを落とすこと)と同等に大事なのが、すすぎの際にボディに残った水滴の除去=拭き取りだ。残った水滴は、水ジミや水アカ、ウォータースポットの原因。仕上がりを著しく悪化させる。もっとも完璧に拭き上げたつもりでも、走り出した途端にボディのいたる場所からチョロチョロ水が流れ出すのを経験したことがあるだろう。 まず、すべてのドアはもちろん、リヤハッチ(あるいはトランクリッド)、エンジンフード、フューエルリッド=給油口のフタなど、開く部分はすべて開け放ち、パネルのフチなどに残っている水滴を残らず拭き取りたい。

 

一見拭きあげたつもりでも「ボディの結合部」は水だらけ

 それだけでは十分ではない。車体には大小さまざまな部品が組み付けられている。その結合部はボディと完全に密着しているわけではなく、隙間があり、撒布した水も入り込んでいる。 エアコンプレッサーでもあれば、高圧縮空気で細かい部分に留まっている水滴も瞬時に吹き飛ばすことができるのだろうが、あまり現実的とはいえない。アマチュアは身の回りの道具を使って地道に水滴を除去するほかない。 例えば、ハニカム形状のフロントグリルや、エアインテークの奥、車体とリヤスポイラーとの隙間、あるいはホイールのホール(穴)とナットのクリアランスなどの水滴の除去には吸水性に優れたセーム革が最適だが、車種によっては複雑な形状だったり、非常に狭小でセーム革を届かせることが難しいことがある。

狭小部には割り箸、ペーパータオルが役に立つ

 ここで役立てたいのが、どの家庭にもストックされているだろう「割り箸」だ。なんのことはない。割り箸を使ってセーム革を隙間に押し込むだけ。驚くほど簡単に、素早く水滴を拭き去ることができる。木製なので誤って手を滑らせてもボディへのダメージがないのもありがたい。

「もっとちゃんとしたものが欲しい」なら、ホームセンターなどで手に入る樹脂製のロッド(棒)がおすすめだ。太さ以外に長さも選べるようなので、割り箸では長さ的に厳しい箇所にも適応。柔軟性に富むため、多少力を加えても割り箸のように折れたりせず、入り組んだ箇所にも無理なくセーム革を押し込むことができる。1本わずか数百円という安価もありがたい。

 セーム革さえ押し込めないさらに狭い箇所、例えばヘッドライトとフロントバンパーの隙間、あるいはボディパネルとドアミラーやエアロパーツの結合部などに残った水滴はどうか?

 ここでも家庭にある身近なものが役に立つ。“ペーパータオル”だ。一度でも使ったことがあれば、その吸水性の高さは知っているだろう。狭い箇所に1枚差し込んで待つこと数十秒。隙間に溜まった水がどんどん吸い出される。

 パルプ製と不織布製の2タイプが選べるが、不織布製と比べて吸水性は若干劣るものの、パルプ製のほうが安価で気兼ねなく使えるのがいい(ロールタイプがお買い得)。ただし、「差し込む」際にある程度の強度はほしいところ。表面に補強のためのエンボス(小さな凹凸)加工が施されたタイプが望ましい。

それでもまだ残っている水滴はふるい落とす

 ここまで入念に拭き上げてなお、走り出すとしつこく流れ出てくるのが隅々に留まっている水滴だ。筆者の場合は仕上げとして、残留している水滴をふるい落とすようにしている。 方法は原始的だ。前後にクルマを動かすだけ。2m程度前進させたら強めにブレーキを踏んで停止。後退も同様。これを3回、4回繰り返すことで、残留している水滴をほぼふるい落とすことができる。その水滴を拭き取って完了だ。試すなら、くれぐれもほかのクルマや人など、必ず周囲の安全を確認したい。 ちなみに、ブレーキをかけることで、水分の付着で生じるローター表面の酸化=サビの除去が可能。サビは放置しておいても、その後の走行にとくに支障はないようだが、洗車後にクルマを動かさない人には(見た目上の)メリットもある。

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