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ジムニーは何故「最強の日本車」なのか? 所有してわかった「長年愛される」理由とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭/Auto Messe Web編集部

雪道を含めた悪路の活躍には感動した!

 悪路走破性はケチの付けようがない。車体は高強度のラダーフレーム構造を採用し、4WDは状況に応じてハイ/ローの切り替えが可能。ライバルと目されるパジェロミニが普通車と同じモノコック構造(2代目)で、単なるパートタイム式4WDなのに比べると走行性能は歴然とした差がある。

 この冬は幾度となくぬかるんだ林道や雪深い山奥を走行したが、若干リフトアップした恩恵もありスタックしたことは一度もなく、脱出用のスコップや牽引ロープを使ったことは今のところ皆無。自分自身が安全に帰ることはモチロンのこと、誰かを助けることができる安心感は大きいだろう。

 ただし、フルノーマルでは少々もの足りなさも感じる。そこでアフターパーツを使ってカスタムしたのだが、種類が豊富なうえ普通車と比較すると安くてビックリ。筆者は2インチのリフトアップに前後のショートバンパー、牽引フックや調整式のラテラルロッドにガード類、マッドテレーンのタイヤやサブコンなどを装着。ネット通販や中古パーツを駆使し、かなり安く仕上げた。ザックリな計算にはなるものの、トータルで15~20万円で済んだと思われる。

 パーツの効果を体感しやすいのもカスタム欲をかき立てる一因で、アウトドアだけに限らず街乗りまで楽しくなるのも、ジムニー人気をココまで押し上げて持続させる理由だろう。

燃費やパワー不足は我慢できる範囲内

 もちろん、不満が一切ないワケじゃない。次は実際に前型JB23を所有して感じたマイナス面をいくつか書き連ねていこう。まずは遅いこと。ストレートに言うけれど本当に遅い。高速道路の上り坂で他車を追い越すなんて至難の業としかいいようがなく、前後のクルマや道路状況を考慮し緻密なスピードのコントロールが必要になる。

 また軽自動車としては結構な重さだし、ギヤ比も低いため燃費がよくない。個体差はあれど10km/Lがせいぜいで、燃料タンクも小さく、普通車に乗っている場合より、ガソリンスタンドに寄る回数は飛躍的に増えた。

 ただし遅さにせよ燃費を悪化させる重さにせよ、頑強なボディや走行性能とトレードオフであり、ジムニーに乗るなら許容するしかない部分といえる。パワー的に我慢できなければ1~3万円ほどのサブコンから、まるで別モノに変身させるタービンキットまで、予算と目的次第でいくらでもチューニングが可能だ。もうひとつの不満は内装がチープなこと。JB23型が発売されたのは1998年10月、軽自動車が『新規格』に変わったタイミングなので、デザインを含め、古さや安っぽい面があるのは仕方ない。後期になればなるほど改良されていくものの、現行型のJB64を知ってしまうと世代の差を痛感させられる。

 以上のようなネガティブな要素はあっても、ジムニーが総じて魅力的であることは揺るがず。

 アウトドアに興味があるユーザーにとっては、やはり『最強の日本車』の称号が相応しいのではないだろうか。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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