限界走行で重要な「ブレーキフルード」の選び方
サーキットを走るうえで絶対に強化が必要な部分。それは聞くまでもなくブレーキだ。パッドやローターなど部品は多々あるが、力を伝達するフルードも忘れちゃいけない。サーキット走行に適した製品の選び方を考えよう。
そもそもブレーキフルードの役割とは?
まずはブレーキフルードの役割を手短におさらい。ドライバーがペダルを踏んだときに発生する制動力は、ブレーキフルードを介してキャリパーへと伝達され、ピストンを動かしてパッドをローターに押し付ける。その摩擦によってクルマが減速する仕組みだ。 しかしフルードにもいろいろな種類がある。サーキットを走る人であれば、DOT規格なる言葉を知っているはず。DOTとはアメリカ合衆国の運輸省(United States Department of Transportation)が定める基準で、カンタンにいえば沸点の違いによって分類されている。もっともオーソドックスな製品はD0T3で、ドライ沸点が205℃以上でウェット沸点が140℃以上。対してサーキット用のスタンダードであるDOT4は、ドライ沸点が230℃以上でウェット沸点が155℃以上、さらに上のDOT5はドライ沸点が260℃以上でウェット沸点が180℃以上と、DOT3に比べ50℃近くの開きがあるというワケだ。