限界走行で重要な「ブレーキフルード」の選び方
サーキットを走るうえで絶対に強化が必要な部分。それは聞くまでもなくブレーキだ。パッドやローターなど部品は多々あるが、力を伝達するフルードも忘れちゃいけない。サーキット走行に適した製品の選び方を考えよう。
そもそもブレーキフルードの役割とは?
まずはブレーキフルードの役割を手短におさらい。ドライバーがペダルを踏んだときに発生する制動力は、ブレーキフルードを介してキャリパーへと伝達され、ピストンを動かしてパッドをローターに押し付ける。その摩擦によってクルマが減速する仕組みだ。
絶対に回避したい「ベーパーロック現象」とは
では何故高い沸点が求められるのか。車重や走り方によって多少の差はあるものの、サーキット走行中のブレーキパッドは300℃を超えることも珍しくない。その熱がブレーキフルードに伝わって沸騰し、発生した気泡によって起きるのがベーパーロック現象。ブレーキペダルをいくら踏んでもフワフワした感触で、減速しないのはドライバーとして恐怖でしかない。
レース用フルードと同等の沸点とロングライフを両立した「DOT5.1」
それと近年になってよく耳にするのが、DOT5.1という小数点が付いた規格。コレは従来のDOT5における弱点だった吸湿性の高さ、つまり劣化の早さを大きく改善した製品のことを指す。
ブレーキフルードの「交換サイクル」はどれくらい?
最後に交換サイクルの目安について。街乗りオンリーでDOT4以上を使っているなら2年もしくは2万kmが基準、ワインディングを走る機会が多い人は半年から1年で、サーキットを走るならエンジンオイルと同じで毎回の交換が理想だ。どれだけ優れたパッドやキャリパーを使っても、フルードが劣化していたら性能は発揮できない。大きな事故に直結するパーツだけに甘く考えず、選び方とメンテナンスはくれぐれも慎重に!