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「食べられる食器」を使う? 今話題の「サステナブルキャンプ」とは何か

大自然を楽しむアウトドアブームで生まれたこと

 コロナ禍でますます加速したキャンプの大流行。自然に近い質素なスタイルから豪華なグランピングまで楽しみ方は千差万別だ。こうした時代の流れの中で、最近は「サステナブルキャンプ」という聞き慣れない言葉をよく耳にするようになった。そこで、その定義や代表的なアイテム、楽しさについて調べてみた!

そもそも「サステナブル」の意味とは?

 まずは初めて聞く人もいるであろう「サステナブル」の意味を説明する。sustain(持続する)とable(できる)を組み合わせた単語であり、日本語では「持続可能な」と訳されることが多い。限られた資源を使い過ぎず、環境を大切にして未来まで美しい地球を維持し続ける、サステナブルな社会という考えが世界中で提唱されている。

 それをアウトドアに当てはめたのが「サステナブルキャンプ」であり、メディアで紹介される機会が増えた。と同時に、環境に考慮したアイテムも続々とリリースしている。最初からすべてをサステナブルなアイテムにするのは大変かもしれない。無理をせず、従来からのキャンプに部分的に取り入れてみるのもいいだろう。

自然に帰る食器類や長く使える道具を使う

 誰もが手を出しやすくスタイル的にも映えるのは、使い捨てじゃなく再利用ができる食器類を使うこと。キャンプやバーベキューでは汚れたり洗うのが面倒になり、プラスチック製の食器を使いがちだ。ただし回数や人数が増えるほど消費量も増え、処分や製造の段階で環境にダメージを与えてしまう。

その点バイオマスを原料とした再利用できるプラスチックや、竹や金属の食器であれば何度も繰り返して使うことが可能だ。また使い捨ての食器やカトラリーはデザイン的にも味気なく、アウトドアの気分を盛り上げるにもイマイチ役不足の感は否めない。どのアイテムも国内外のメーカーから選び放題なので、一生モノと呼べるお気に入りのアイテムを探すのも楽しいはず。

自然のエネルギーを活用するアイテム

 続いてはキャンプで使用するエネルギーに関して、どうサステナブルの概念を取り入れるか考えてみよう。誰もが思い付くのは太陽光を利用した電力。最近のキャンプ場では電源が付いている場合も多いが、あえて使わず太陽光で充電できるポータブル電源や、モバイルバッテリーを活用してみてはどうだろうか。本来キャンプは不便さに由来する非日常を楽しむのも魅力のひとつで、アウトドアに限らず防災用として常備しておいても損はない。

 調理では匂いや煙が付着したら困るケースを除き、キャンプ場で枯葉や折れた枝を調達してもいい。それらを燃やして直接的に使うだけじゃなく、燃焼の際に発生する熱で発電させるアイテムもある。ひとつの材料で火力と電力を生み自然へのダメージを抑えた、まさしくサステナブルなアプローチといえる。

使用後は食べられる食器も登場!

 では具体的にどんなアイテムがあるのだろうか。食器では竹や籾殻を主成分とし土に埋めると数年で分解されたり、コーンスターチやでん粉が原材料で食べられる製品も少なくない。

電気式のランタンは「不自然な光の色で雰囲気を損ねる」と嫌う人もいるが、最近は柔らかい暖色で光がゆらぐ機能を備えている製品まである。それらを太陽光で作った電気で点灯させればエコロジーだし、ガスやホワイトガソリンと違いテント内でも安心かつ安全。

 さらにウェアやシューズといったアパレル類にも、サステナブルを謳った製品が出始めている。再生プラスチックの繊維を積極的に使うサンダルや生分解性があり最終的には土へ還るシャツ、不要になった衣類を回収および再生し新しい製品にリサイクルするシステムの確立など、各メーカーが環境に優しくかつ実用的な製品を開発していくのは世界的な流れだろう。

無理のない範囲で楽しみマナーを守るのが一番

 とはいえ急にスタイルを転換するのは金銭的な面でもそう簡単じゃないし、愛着のあるアイテムを買い替えるのに少なからず抵抗がある人だって多いはず。まずはキャンプで食材を余らせて廃棄しないよう注意したり、野生の動物にエサを与えず本来の暮らしをさせるとか、使ったサイトを来たとき以上にキレイにして帰るだけでも十分だ。無理をして楽しいはずのキャンプ自体が、肝心の「サステナブル」でなくなっては本末転倒。ひとりひとりが続けられる範囲で自然や環境を大切にしてこそ、本当の「サステナブルキャンプ」が成り立つといえるのではないだろうか。

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