Rで快適に生活する知恵と工夫とは
6月8日。2度目の出発を迎えた。出発の日は大雨。それでも今度は順調&快適。予定通りに車中泊を続けた。九州一周の予行練習があったから本番では快適な寝室が完成。「最初の2晩くらいはやはり寝付けませんでした。でも3日目には体も疲れてくるでしょう。強制的に寝られるようになるんですよ」そこからはもう慣れたもので、お手製のカーテンを閉めてグッスリと眠った。食事は毎日土地のものを仕入れたり地元の店に入って舌鼓を打った。最初に行った九州では指宿の砂風呂も経験。この日本一周の旅では毎日欠かさず温泉に入ったそうだ。旅と言えば温泉。各地の名湯を堪能した。
九州に入った後、順調に各県を巡り、6月15日には四国へ。愛媛県の宇和ではキャンプ場で車中泊ではなくテント泊。久々に手足を伸ばして熟睡。そこから高知~徳島と走り岡山へ。友人と再会し夕食を共にしていると、その友人がエコノミークラス症候群を防止する靴下をプレゼントしてくれた。「そういった体のことは何も考えていなかったんです。職業柄心配してくださっていたみたいで、本当に感謝です。そこから先の旅程では、毎晩使わせてもらっていました」
鞆さんは今回の旅で仲間や友人たちのありがたさを実感したそうだ。旅の間は毎日、その日あったことをブログで報告しており、激励や応援のメッセージが入る。さらに、その仲間たちに助けられたこともあった。岡山~兵庫~大阪~奈良~和歌山と走ったところで、そろそろオイル交換の時期。当然ディーラーでできるだろうと軽く考えていたら、R32用は取り寄せになると告げられる。そこでどこかでオイル交換できないか、とブログで募ったところ、仲間がいろいろと調べてくれたのだ。結果、三重県に入ったところでチューニングショップで交換が叶った。「最初は外に並ぶチューニングカーを見て、わたしのR32みたいなのが来ていいのかと心配になりました。でもスタッフの方がとても親切にしてくれて、次のオイル交換は東北で予定していると話すと、ショップを紹介してくれました」と鞆さん。
大好きな温泉を堪能し若者たちと交流
無事にオイル交換も済ませて再び北上を目指す。愛知~岐阜~静岡~山梨~長野。群馬に入って草津温泉。温泉好きの夫婦にすればここはゆっくり過ごしたい。2日間かけてじっくり体を癒やす。スケジュールが厳密に決まった旅ではないので、こうした予定変更もあり。順調に北に向かっていた鞆さん。東北地方に入ったところで被災地の現状に心を打たれたという。
「今回の旅で最も印象に残っているひとつが被災地の現状でした。わたしが日本一周したのは2017年です。東日本大震災から6年が経っていました。それでも、まだまだ復興作業は継続していましたし、それまで映像でしか知らなかった現状を目の当たりにして心を動かされました。少しでも協力できれば、とブログでその状況を伝えています。やはり実際に行くのは大切なことです」
岩手では素敵な出会いがあった。夜、車内でブログを書いていると、外から「すみません」という声。窓を開けてみると、若い男の子が3人立っていたそうだ。その数日前にオイル交換に寄ったショップ「スクリーン」のブログで鞆さんのR32を見たそうで、実車を発見し思わず声を掛けてきたのだそうだ。こうした若者たちとの交流は、旅を通して続いていく。北海道では自転車で北海道を旅する学生と出会い、その後の旅では東北大学自動車部のラリー好きの若者たちとクルマ談義。