ケンカもありながらやりきった! 半世紀ぶりに「リ・デザイン」された“宇宙”
コロナ禍により中止となった、3日間で約30万人もの来場者を誇る国内最大級のアフターパーツショー「東京オートサロン」。毎年その舞台に卒業制作をお披露目している「日本自動車大学校(以下NATS)」の生徒たちにとっても、悔しい気持ちでいっぱいだったことだろう。
今回はカスタマイズ科全5班が制作した卒業作品に中から、ND型ロードスターをベースにMAZDAの往年の名車「コスモスポーツ」の進化版としてリデザインした「NATS COSMO VISION」を紹介していく。
短縮された作業時間の中、見事にコスモスポーツの進化版となる「NATS COSMO VISION」を製作
カスタマイズ科3班のメンバーがオマージュモデルとして挙げたコスモスポーツは1963年の全日本自動車ショー(のちの東京モーターショー)にて世界初の2ローター・ロータリーエンジンを搭載した量産車として発表。1967年より2シータークーペモデルとして発売した高級スポーツカーである。
3班のメンバーはそれを「50年以上前の名車が現代のスタイルを踏まえて登場したら……」をテーマにしてリデザインすることに。そのためのベース車両として現行のNDロードスターを選択し、前から後ろまで外装すべてに手を入れた。
中でも特にこだわり、ゆえに苦労した場所がヘッドライトまわりの面出しとフロントグリル周辺のプレスライン。ライトはロードスター純正の細長形状からコスモスポーツのそれを彷彿とさせる丸目ライトに変更。「今のマツダ車だったらヘッドライトは細目にすべきかもしれませんが、コスモスポーツをフィーチャーしているので丸目で。そこは譲れませんでした」とは学生のTサン。そのヘッドライトはVWビートル用を指名、のちの車検も考えて光軸も踏まえて付けている。ちなみにフロントグリルはCX-5用を移植している。
それに合わせて造詣したボンネットは「ヘッドライトやフロントグリル周辺のプレスラインが目立つので、ココに手を入れないと、不自然にのっぺりしてしまうんです。メリハリをつけるためにバランスを取りながらプレスラインを入れています」。