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「顔面移植」に「フルスモ」「イカリング」! 全部わかったら立派なクルマ好きなカスタム用語5選

クルマ好きにしかわからないカスタム用語

 「パリピ(パーティピープル)」や「タピる(タピオカドリンクを飲む)」、「ググる(Google検索をする)」など、世の中にはさまざまな略語や俗語などがある。一方、クルマのカスタム用語にも昔から独特の言い回しや、好き者にしか分からない専門用語のような略語や俗語が存在する。

 カスタムに興味がない人にとっては知っていても全然エラくない言葉ばかりだが、これからクルマをイジってみたいという人や興味があるという人には、知っておいて損はない言葉も多い。ここでは、そういったワードの中でも、とくに外装や車体に関するものをピックアップして紹介しよう。

●顔面移植

 心理学の世界では、人には深層心理の中に「変身願望」があるという。男性も女性も別人に生まれ変わり、もっと美しい顔になりたいとかスレンダーなボディを手に入れたいなど、さまざまな欲求がある。最近は女性がエステに通うだけでなく、男性用のメンズエステも流行しているというから、そういったビジネスはまさに人の変身願望を上手くとらえたものだといえるだろう。

「顔面移植」はそういった人間の願望がクルマへ及んだものだと言える。クルマの場合は愛車のフェイスデザインを他車のものに変更するカスタムを意味する。例えば旧型車にモデルチェンジなどで変更された新型車のフロントグリルやヘッドライト、バンパーなどを移植することがそうだ。よく「後期フェイス」と呼ばれる車両があるが、これは前期型の車両に後期型のフェイスデザインを取り入れたカスタム車のことだ。

 また、コンパクトカーをスーパーカー的なフェイスデザインにしたり、軽自動車を高級車のフロントデザインっぽく見せる技法もある。これらは主にオリジナルのエアロパーツを使い、フロント部だけでなくボディのほとんどを変更する、まさに「全身整形」を施すことも多い。かなり費用はかかるが、中古車やすでに乗っているクルマをベースにするのであれば、本物のスーパーカーや高級車を買うと思えば安い。また、知らない人に「このクルマなに?」と思われる正体不明さと、高い注目度が手に入るという効果は高い。

●リップ

 口紅のことではないのは、たぶんお分かりだろう。ここでいう「リップ」とは、エアロパーツの「リップスポイラー」を縮めた表現だ。

 エアロパーツは、かつて前後バンパーをすべて変えるフルバンパータイプが人気だったが、最近はノーマルのバンパー下部に取り付けるリップスポイラーの人気が高い。価格が比較的リーズナブルなことと、あまり派手なデザインは苦手だが、愛車に他人と違う個性を出したいというニーズが増えたためだ。

 しかも、純正バンパー下側のボリューム感が増すため、車高が低く見えたり、よりスポーティなフォルムにすることができる。フルバンパーのタイプほど変身はしないが、手軽に楽しめるカスタムであることは間違いないだろう。

●イカリング

 クルマのカスタムに詳しくない人なら「イカリング」は輪切りにしたイカフライのことを想像するだろう。じつはクルマのドレスアップパーツの一種で、ヘッドライト内に取り付ける輪型のライトのこと。点灯した状態を前から見ると、ちょうど(食べ物の)イカリングに似ていることから命名されたようだ。

 2000年代前半から出てきたこのパーツは、BMWなどの高級車に付けられていたデイライトが元ネタ。最近は国産車でもヘッドライト内にデイライトを装着したモデルも続々と登場しているが、当時はあまりそういった装備の純正装着がなかった時代。より高級車の雰囲気を醸し出すために、登場当時は大きな人気を得た。

 なお、イカリングは別名「エンジェルリング」とも呼ばれる。これは天使の頭上にある光の輪をイメージしたネーミング。どちらかといえばイカリングのほうが一般的な表現だといえるだろう。

●スムージング

 最近は果物や野菜を凍らせてシャーベット状にした飲み物「スムージー」が人気だが、これはまったくの別物だ。「スムージング」とは、例えばミニバンなどでリヤゲートのワイパーやエンブレムなどを外した時に出るボディの穴を塞いだり、ボディのくぼみなどをスッキリとしたラインに変更する技法のことだ。 見栄えをよくするためのドレスアップだが、基本的には板金加工と塗装が必要なためカスタムにはある程度の費用と時間が掛かることも多い。

●フルスモ

 クルマのウインドウ全面にフィルムなどを貼ることで、「フルスモークガラス」仕様にすることを意味する、いわゆる略語のひとつだ。スモークガラスは夏など日差しが強いときの対策や、のぞき見防止としてのプライバシー保護、見た目がちょっと悪そうでカッコイイといった効果がある。 ただし、あまり濃いフィルムを貼ってしまうと、捕まることがあるので注意が必要だ。法律ではフロントウインドウと運転席や助手席のガラスは可視光線透過率が70%以上と定められているからだ。フィルムの色が薄くても、最近のクルマは純正でUV・IRカットのガラスを採用しているものも多く、そういった車種に装着すると70%を下回る場合もある。車検に通らないばかりか、走行中に警察に停められてキップを切られることもあるからくれぐれも注意が必要だ。

 以上、外装や車体のカスタムに関する略語や俗語の数々、いかがだったろうか。前述の通り一般的にはこれら用語を知っていてもあまり自慢できない。だが、カスタム好きが集まる場所やオンラインのオフ会などで使ってみると「通」っぽく聞こえること間違いなしだ。

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