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レーサーにも「資格」が必要なの?「A級ライセンス」取得法とメリット、デメリット

レースをやるなら「Aライ」は必須!

 モータースポーツでよく聞く「ライセンス」なる言葉。A級とかB級といったランクに加えて、国内や国際など細かく分けられているけれど、コレを持っていると何ができるんだろうか。また、B級なら何ができて、A級を取得するメリットは何か? ライセンスの種類や取得するための方法、どんなメリットがあるかを改めて説明したい

ライセンスによって出場できるレースは変わる

 ライセンスとは「免許」や「許可」を意味する言葉。モータースポーツにおいてはJAFが発給しており、エントラント/ドライバー/オフィシャルに大別できる。要はモータースポーツに参加するための免許だ。すべて解説したらとんでもない長さになるので、今回は「ドライバー」に限定したうえで進めたい。

 耳にする頻度が高いのは「A級ライセンス」だろう。言葉の響きに漠然と憧れている人も多いはず。まずA級ライセンスとは何なのかを解説しよう。誰もが便宜的に「A級」と呼んではいるものの、正確には「国内A」であり、他にも「国際A」も存在する。とはいえ国際Aライセンスはインディカーなどに必要なライセンスで、われわれのような一般ドライバーにとっては縁がないと考えていい。では国内Aライセンスを持っていると、どんな競技に参加できるのだろうか。答えはサーキットで行われる「レース」であり、ジムカーナやダートトライアルといったカテゴリーは、入門用に相当する「国内Bライセンス」があれば大丈夫。

 ただしひと言にレースといっても種類は数え切れないほどあり、国内Aで参加できるのはワンメイクを中心とした国内格式のレースだ。有名なところでは86/BRZや今年からスタートするヤリス、スーパーFJやF4のようなフォーミュラカーも含まれる。余談だがスーパー耐久では国際Cライセンス、スーパーGTでは国際Bライセンスが必要。

昔より国内Aライセンス取得はラクになっている

 それでは取得にはどんな方法があるのか。以前であれば最初に国内Bライセンス(講習を受けるだけで可)を取得し、ジムカーナなどの競技に出場して完走したうえ、国内Aライセンスの講習会を受ける必要があった。国内Bライセンス講習会/何かしらの競技に参加/国内Aライセンス講習会と、最短でも3日かかるし費用を合計するとそれなりの金額になってしまう。そこで現在は別の手段も設けられている。

・国内Bライセンスの所有者は公認サーキットで25分以上のスポーツ走行を経験し、サーキットに証明をもらって国内Aライセンスの講習会に参加する。

・国内Bライセンスを経ずに取得する場合はスポーツ走行の時間が2倍、つまり50分以上のスポーツ走行を経験し、サーキットに証明をもらって国内Aライセンスの講習会に参加する。

 モータースポーツ人口の減少が問題視される昨今だけに、ライセンス取得のハードルが下がったのは歓迎すべきこと。国内Aライセンスの講習会では筆記および実技の試験もあるけれど、テクニックではなくサーキット走行に関する基礎知識やマナーが中心で、よほどの大失敗さえなければ落第しないといって差し支えない。

費用は4万円くらい見れば間違いない

 合格したらライセンスの交付をJAFに申請、晴れてライセンスホルダーの誕生というワケだ。費用は国内Aライセンスの交付だけなら4100円。近年は前述のスポーツ走行を併せた講習会がメインとなっており、構内Bライセンスの有無によるが参加費は2~3万円のところが多く、もしJAFの会員でなければ入会金と年会費を合わせて5500円。交通費などは別として4万円くらいと考えておけば問題ない。講習会はJAFのウェブサイトに掲載されており、地域やライセンスの種別で検索できるので、興味がある人は今すぐチェックしてみよう。

 取得後に注意すべき点は毎年の更新。有効期限は発行年の12月末日でそれを過ぎると競技に参加できなくなり、更新の期限(有効年の翌年の12月末日)を過ぎると最初から取得し直さなければならない。更新は昔こそJAFに出向くか郵送と少し面倒だったが、今はウェブサイトでカンタンに手続きできるので、手間とお金をムダにしないためにも更新を忘れないように。

 最後に勘違いされることが多いサーキットライセンスとの違いを。JAFのライセンスが公認競技に参加できる資格なのに対し、サーキットライセンスはそのコースでスポーツ走行をする資格。単に好きなサーキットを頻繁に走り込みたいとか、非公認の草レースを楽しみたいのであれば、国内Aライセンスよりサーキットライセンスを取得して楽しむのもひとつの方法かもしれない。

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