ロンバルディが関与したエンジン
今回の目玉ともいえるのがカウル越しに見えるオリジナル同様に縦置きされたエンジンだ。最近のクルマはブラックボックスだらけだが、EVO37はどこか懐かしい。カムカバーが剥き出しでオリジナルの037ラリーの雰囲気がちりばめられている。 搭載されるエンジンはロンバルディの指導のもと、イタルテクニカによってゼロから再設計された2150ccの直列4気筒DOHCターボ+ルーツ式スーパーチャージャー(電磁クラッチ付き)を搭載。まるでデルタS4のような組み合わせであるエンジンの最高出力は505ps/7000〜7250rpm、最大トルクは550N・m/2000rpmを発揮する。 残念ながら車両重量の公式スペックは出ていないが、パワーウェイトレシオは2.0kg/psとなっているので、公式馬力の505psと考えてもおおよそ1010kg(誤差あり)くらいだろうか。オリジナルの037ラリーが1170kgということを考えると、モンスターマシンであることは間違いなさそうだ。
このエンジンを操るのは、もちろん2ペダルのパドル付き6速シーケンシャルミッションと3ペダルのHパターンMTを選択することができる。もちろん、後輪駆動というのだから嬉しい。
豊富なカラーバリエーション
さらにボディカラーは写真のロッソ037ストラダーレ以外にも豊富なバリエーションの中から選ぶことができる。例えば、037ラリーの次の世代として登場したデルタS4に採用されたボディ色のボルダーS4や、これまでランチアデルタの限定車に採用されていたブルーラゴス(ブルー)、ヴェルデヨーク(グリーン)、ジャッロ・ジオネストラ(イエロー)、グリジオ16バルブ(グレー)、パールホワイトなどが選択できるという。もちろん、ワークスカラーのマルティーニも選べるというのだから、今からその姿を見られることが楽しみで仕方がない。 キメラEVO37は、車名に由来し37台のみ製造され、すでに11台が先行販売されている。価格は48万ユーロ(約6400万円)だという。
ちなみにEVO37は7月にイギリスで開催されるグッドウッドフェスティバルオブスピードで公式に発表され、9月から納車が始まるという。
1日も早くEVO37の走る姿を見てみたいと思うのは私だけではないだろう。