性格は違えどコーナーを駆け抜ける楽しさが享受できる
この2車種はそれぞれ異なる魅力を備えています。スイフトスポーツは、ベース車両の素性を生かして、欧州車風の洗練されたスポーツモデルに仕上げました。車両重量は970kg(6速MT)に収まり、操舵に対する反応は軽快です。峠道では車両の向きを変えやすく、前輪が描く旋回軌跡を拡大させにくくコーナーを軽快に駆け抜けることができます。しかも危険を避けるために下りカーブでブレーキペダルを踏んだ時でも、後輪がしっかりと接地していて挙動が安定しているのも魅力です。
対してアルトワークスは、熟成の進んだスイフトスポーツと対称的です。硬めの足まわりと少し粗削りな走りが特徴です。車両重量は670kg(FF、5速MT)に抑えられ、1987年に発売された初代アルトワークスに近い印象があります。ボディ剛性が格段に高いため、機敏に曲がって挙動も安定志向です。それでも少し跳ねる感じがあり、スポーツモデルを一生懸命に走らせる気分は満点です。
チューニングすることでさらに魅力が深まる楽しさもアリ!
この2車種に優劣はありません。強いて言うなら現代流の運転の楽しさを味わうならスイフトスポーツ、昔の弾けたホットハッチを思い出したいならアルトワークスです。
価格がリーズナブルな軽自動車やコンパクトカーに最適なチューニングを施すと、この2台のように求めやすい価格でドライビングが楽しいスポーツモデルに仕上げることができます。ベース車の素性をいかに効果的に発揮させるか、そこも含めてオーナーの腕の見せどころです。 こういうクルマが活発に発売されるとクルマの世界も楽しくなるでしょう。機会があったらみなさんも試乗してみてください。「軽くて小さなクルマはやっぱり楽しい!」とうれしくなると思います。