ホームストレートはアウト側を走るのが基本
コーナーが迫るストレートの終盤では、ブレーキングポイントの違いに注意する。同じ車種であってもパワーや履いているタイヤ、ドライバーの技量で減速を始める場所は違う。併せてコーナーに向けたアプローチでステアリングを切り始めるので、ラインが交錯する可能性もあれば減速の度合いが違って追突する可能性もある。
コーナーに比べて安全にオーバーテイクできるのは確かだが、ひとつ間違うと全開走行中のクルマ同士の接触に繋がることを忘れずに。あとはピットロードからコースに入って来る車両にも注意しよう。サーキットでは「コースイン直後はレコードラインを走らない」のが常識だが、残念なことに全員がそれを確実に守ってくれる保証はどこにもない。
とくにピットロードの出口がホームストレートのエンド付近にあるサーキットは、走行しているクルマのスピードもかなり高いため事故のダメージは甚大になる。あとは単独で走っていると思えるときでも、ラインを変えるときは必ず後ろを確認。気付かないうちに速いクルマが迫っていたり、ミラーの死角にクルマが隠れていることもある。むしろ長いストレートは操作も精神面にも余裕があるので、意識的に後方を視認するクセを付けるくらいの気持ちでいたい。
最後に走行するラインに関する注意点を。アウト・イン・アウトという言葉は誰もが知っていると思う。つまりホームストレートのライン取りはアウト側であり、ピットロードがあるイン側に砂やタイヤのカスが溜まりやすい。何らかの事情があってイン側を走らざるを得ないときは、路面が滑りやすかったりタイヤが異物を拾うかもしれず、かつコンクリートウォールともすぐ隣合わせなので、操作に細心の注意を払いつつ早めに元のラインに戻るべし。