年に1度の86＆BRZ祭で新型GR86＆BRZカスタム披露！

　2021年6月6日に富士スピードウェイに開催された「FUJI 86Style with BRZ」は名前の通り、トヨタ86とスバルBRZにとって、年に一度の大祭とも言うべきイベント。全国から86＆BRZが集まる場で、2021年はまさかのサプライズが用意されていた。なんと、発売前にもかかわらず、日本を代表するチューニングメーカーによる新型「GR86」のカスタマイズ提案。トムス／サード／HKS／ブリッツ／トラスト／クスコというそうそうたる顔ぶれが、新型に対するコンセプトを堂々とお披露目していたのだ。発売前ということでスペックは確定していないものの、各社とも新型への意気込みは十分。まだ発売前で最終スペックが確定していないものの、全車ともエアロパーツについてはほぼ確定。チューニングについても方向性は明確になっているようだ。それぞれの詳細は後日お届けするとして、今回は各チューニングメーカーとしての意気込みや今後の開発について、それぞれリポートする。

GT500チームがコンプリートカーでしのぎを削る！

　まずはトヨタ勢としてGT500チームの一員を担っているトムスとサード。両社とも新型についての力の入れようは並々ならぬものがある。共通点は「コンプリートカー」を視野に入れているということ。その点も含め紹介する。

●TOM’S（トムス）

　オレンジ色のボディが鮮やかなトムスのGR86。新型GR86についてのコンセプトは「大人のハチロク」を目指している。なぜオレンジか。40代オーバー（場合によっては50代超）の方はおわかりだろう。かつてのTE27をオマージュしているのだ。その視点から見ると、オーバーフェンダーも含め、少年の頃に憧れていたスタイルがよみがえってくる。

「TE27に憧れていた少年もいまや立派な大人です。ゴテゴテしたものではなくともひと通りのエアロを装着したいという方に向けたデザインを目剤ました」という外観。ホイールは9本スポークの19インチを装着し、ブレーキはフロント6ポット／リヤ4ポットで強化済み。パワー関係は正式発表を待ってからということだが、トムスとしてのノーマルGR86はこれである程度の目処は立ったという。

　新車としてディーラーで手に入れやすい仕様ということだ。しかし、今後はトムスとしてのコンプリートカー開発に着手するという。こちらは「大人のハチロク」というコンセプトは大きく変わらないものの、過給器の投入の含め、少しハミ出した仕様になるそうだ。ターボかスーパーチャージャーか。市販スペックをテストした上でトルク型かパワー型かを考えるとのこと。

●SARD（サード）

　発売前のモデルながら、フロントフェイスを大きくイメージチェンジしてお披露目したサード。フロントだけでなく、サイドリヤそしてオーバーフェンダーと全方位に渡って手を加えている。後方に目を向ければ、レンズは丸テール化していることに注目。「スポーツカーはやはり丸テールが似合うと思い、早々に開発しました」とのこと。

　全体には現行の86から進化した感じのデザインとしている。マフラーはフロントから出口までフルチタンを採用。現行と基本的なレイアウトは一緒とのことで、まずは第一段階の試作品だ。「エンジンについては排気量が400ccアップします。そうなるとレイアウトは同じでも太さなどは適正なものに変更する必要があると思っています。これ以上のことは市販スペックが決定してからの作業ですね。現状ではエンジンまわりはノーマルですが、今後手を加えていく予定です。

　今回はあくまでお披露目でまだテストもできていません、今後製品化に向けていろいろ開発します」とのこと。サードと言えばのGTウイングのイメージがあるが、今回はちょっと小振り。これも折り込み済みで「第一段階として大人のスポーツカーを目指しました。これはコンプリートカーを視野に入れています。ウイングを大きくしたければステーを交換するだけで可能ですし、フロントバンパーに合わせたリップも開発したい。ステップアップできるものを提案したいと思います」。