手動装置仕様ル・マン専用マシンの実戦確認進む
4日(金)、5日(土)のそれぞれに練習走行が90分ずつ用意され、3名のドライバーがそれぞれほぼ均等に走行。そして迎えた第3戦決勝のスタートドライバーには青木拓磨選手が抜擢された。交替の時間を短縮するために青木選手、サンシネナ選手、ベイリー選手の順で担当する。今回は4時間の耐久レースということで、40分の走行の後、給油のためのストップ(1分間)を挟み再び40分を走るという各ドライバー2回のスティントで80分ずつ走行する。
マシンは、他の参戦車両とは異なり、手動装置を使用して下肢での操作が不要となっている。具体的には、アクセル、シフトアップ、クラッチは、ステアリングの裏にあるパドルを使用。ブレーキ操作およびシフトダウンはドライバーの右側に設けられたレバーを使用する。つまり、フィジカル的にもきついLMP2マシンでさらにブレーキ操作中は片手運転を強いられるという。そしてブレーキ操作も、上腕での操作では足の踏力ほど力を発揮できないため、ブレーキを強く掛けられないという。そのためにドライバーは身体を鍛えてはいるのだが、あまり鍛えすぎると狭いLMP2マシンのコクピットで今度は操作に支障をきたすことがあるという難しさを持ってもいる。
6日(日)午前11時に決勝レースはスタート。途中コース上での車両火災などがありFCY(フルコースイエロー)が出される波乱の展開となったものの、今回も3選手ともに大きなトラブルもなく無事に4時間のレースを走り切った。チーム代表のソーセ氏も「まだまだ他にも課題はあるけれど、2戦ともに完走もできたし、全体的には満足している」と今回の2戦に及んだテスト参戦を評価した。
当初6月の予定であったル・マン24時間レースは8月21日(土)~22日(日)に開催が決定している。SRT41の84号車は「イノベーティブ・クラス」で参戦する。