6)リヤバンパーにぶら下がるゴムベルトなど
リヤバンパーのお約束といえば吊り革とホタルと放電ベルト。吊り革は読んで字のごとく電車やバスでよく見る支持具、ホタルはゆっくりとした点滅が特徴の小さなランプで、いずれもドレスアップの小技として人気だった。放電ベルトは車体の静電気を逃すためのアイテムだが、コレがなくてもタイヤの主成分であるカーボンブラックや、導電スリットにより走るだけで放電されるため、実用性よりドレスアップの意味が大きかったと思われる。
7)完全に見た目重視だったバネカット
10万円を切るような車高調が増えたおかげで姿を消したが、昔は純正スプリングをカットしてローダウンするクルマも多かった。その方法では遊びが発生し違反になってしまうし、乗り心地もお世辞にも快適とはいえなかったが、自分で作業すれば1円もかからないこともあり、若者を中心に「2巻カット」などの言葉が飛び交っていた。
8)実用性は低かったワンアームワイパー
走り屋のクルマで多かったのはワンアームワイパー。軽量化や空力の向上を目指しワイパーを1本にした、往年のレーシングカーをモチーフにしたカスタムで、斜めの位置で固定するのがカッコいいとされていた。ただし拭き取る面積は間違いなく狭くなるし、視界にはつねにワイパーのブレードが入るのも気になる。街乗りでの実用性が皆無なだけに、姿を消したのは当然かもしれない。
9)ダミーも多かった屋根の無線アンテナ
見た目といえばパーソナル無線の、アンテナだけをルーフに載せたカスタム。携帯電話が普及する以前はもちろん、山間部で繋がりにくかった時代、パーソナル無線で仲間と連絡を取り合う走り屋が多かった。ただしパーソナル無線は開設するのに免許が必要で、実際に使っていたクルマ以上にダミーが多かったように思う。
10)機能していないダミーオイルクーラー
ダミーといえばハコスカなどの旧車で流行った、フロントグリル前に装着したオイルクーラー。ワンアームワイパーと同じくレーシングカーを手本にしたカスタムで、本当にエンジンと接続しているクルマもいたが、オイルクーラーのホースはグリルに突っ込んだだけの仕様。ファッションやデザインの流行は一定の周期で繰り返すという。これらのカスタムが再びトレンドとなる日は訪れるか?