流行りの「アゲ系」を霞ませる低空スタイルとお手製の車高短トレーラー
今や空前のアウトドアブーム。大自然の中でキャンプを楽しむために、相棒としてジムニーを選ぶユーザーが多い。しかしUさんのジムニーは定番のリフトアップではなく、あえてローダウンとラジアルタイヤという定番外しのスタイリング。さらにヒッチメンバーでけん引するトレーラーにも注目。室内空間が狭いクルマだけに、キャンプ道具やクーラーボックスを積めるのは非常に便利。ジムニーと同様にシャコタン仕様で、ハンドメイドで荷物の積み降ろしがラクな低床フロアを作り込んでいる。手がけたのはキャンバー&ローダウンを可能にするリヤアクスル開発の第一人者で、Kカーのドレスアップ業界ではおなじみのJライン。そのメタルワークの技術力の高さは必見!
プロも真っ青のトレーラーボディをワンオフで
外装をシエラ仕様に変更して極太のワーク・クラッグガルバトレをセットしたJB64W型ジムニー。後ろにはソレックスのボートトレーラーをベースにイチから架装した、フラットな低床フロアのオリジナルトレーラーをプラスしている。この組み合わせで2020年の大阪オートメッセに出展したこともあり、見覚えがあるという人も多いだろう。製作したのはKカーやミニバンなどの車高短用パーツの開発で知られるJラインだから、どちらも基本はローダウン。そもそも車高を下げようという概念のないトレーラーも、キッチリと落としている。
「そもそもジムニーのような軽自動車は荷物が積めません。トレーラーにキャンプ道具をいっぱい積んでいますが、これだけの荷物を車内に積み込むのは不可能。個人的にもキャンプが好きなので、やっぱりトレーラーがあると便利だと思いました」とUさん。 かつてはトラックの架装業だったこともあり、トレーラーのボディ作りはお手の物なのだ。特に滑らかなアーチを描くフェンダーは、同業者でも作るのは困難なほど。見た目だけでなく、技術力の高さも語らずにはいられない。
トレーラーは足まわりも完成度の高い大改造
ここからはトレーラーの細部に目を向けてみよう。鳥居や後部のフロアなどに、滑り止め効果もあるアルミ縞板を使用。切りっぱなしではなく角を丸く処理しているのも元架装業としてのこだわりだ。
先述した通り、ここまで丸いアーチを作るには普通なら金型を起こす。しかし1点モノのため金型は作らず、巧みな板金加工で美しいアールを描いている。
右側にはサイクルキャリアを設置して自転車を積載。「イベントに参加して遠くのトイレに行くのに、自転車があると便利なんですよね(笑)」とUさん。
トレーラーの足まわりは基本リーフ。 しかしここはアクスル製作の実力を発揮し、アクスル+コイルスプリング化。車高の関係で短いバネを使用している。
ジムニーとトレーラー、どちらもローダウン仕様。「トレーラーは車高を考えて作っているので、路面が少し荒れていても普通に出入りできます」とのことだ。