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知らぬ間に「ハイビーム」で煽ってる? 「配光不備」が巻き起こす「厄介なトラブル」とは

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TEXT: 戸塚正人  PHOTO: K-STYLE編集部/米澤 徹

バルブ交換では光軸・配光を再調整

 クルマ好きが注意したいのは、ヘッドライトを明るくする目的でハロゲンをLEDにするなど、バルブ=電球を純正品から汎用の高輝度タイプに交換した場合だ。

 ここでは、上下方向の照射角度と同時に照射範囲も問題になる。DIYではもちろん、カーショップなどでバルブ交換した際、“カットオフライン”と呼ばれる、前方・左右を適正な高さと角度で照らす「配光」が狂うことがある。正しく路面を照らせないばかりか、強い光が対向車を照射して相手ドライバーを眩惑させる恐れがある。ヘッドライトのバルブ交換をしているイメージカット
 カットオフラインの調整は素人でもできなくはないが、やはりプロに任せるのが確実。専用のテスターを持っているディーラーや、自動車用品の量販店などに依頼したい。地域や店舗による差はあるものの、例えばAPITオートバックス東雲の場合、工賃は左右2灯で2000円から。高輝度バルブのメリットを安全かつ最大に引き出すための出費と考えれば決して高くないだろう。 ヘッドライトのカットオフラインの調整 

 もっとも数ある汎用LED/HIDバルブの中には明るさの問題だけでなく、光軸・配光がいい加減で、調整すら効かない粗悪品もあると聞く。カーショップなどで購入する際はスタッフにアドバイスを求め、通販の場合はWEBのクチコミなどを参考にしたい。

レベライザーは万能の機能にあらず

 そもそもヘッドライトは、長期間にわたる走行時の振動でユニットを固定しているネジなどが徐々に緩み、高い確率で照射角度/範囲に狂いを生じる。だからこそ車検ごとにシビアにチェックされ、再調整が求められるのだ。

 ちなみに、ごく普通のクルマで(おそらく)ハイビームでもないのに、ヘッドライトのまぶしいクルマに出くわすことがある。これは、車体前部を破損した際の修理が完全でない疑いがあり、中古車の売買では事故履歴を知る判断材料になるとも言われている。ヘッドライトの高さを調整している様子 

 ロービームで走行中、頻繁に対向車からパッシングを受けたり、すれ違う歩行者・自転車がまぶしそうにしていたら、光軸・配光が狂っていると思ってほぼ間違いない。とくに、前を走るクルマにとっては迷惑な話で、相手ドライバーに「煽られた」と誤解されてトラブルの原因になる可能性も否定できない。
 冒頭で触れたハイビームの話もさることながら、まずは、自分のクルマがロービームの状態で周囲にまぶしい思いをさせていないかを確かめるべきだろう。

 なお、前述のレベライザーは、自動、手動にかかわらず、経時変化のほか、フロントまわりにダメージを負った事故の不完全な修理や、バルブ交換、サスペンションの交換=車高の高低などで生じる光軸・配光の過度のズレまでカバーする機能ではないので念のため。

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