05)三菱ふそう・Vキャンター
横浜プレートのVキャンターは、アンドンやアオリに「堤造園」の文字が誇らしげに刻まれている。利便性に優れた細工を施したステップが印象的なフロントバンパーは、前面にアンドンを埋め込んで装着。メッキ化されたグリルとの相性も抜群だ。
山型アンドンを追加したシートデッキや丸リングをアレンジしたプールハシゴも素晴らしい。ホイールキャップやウロコステンレスのサイドバンパーでキメた足元も美しい、とてもハイセンスな2t車。サイドミラーや胸アンドン、ヘッドライトに装着された庇などの小技も、雰囲気ある全体像の構築に貢献している。
06)三菱ふそう・Fシリーズ(ブラックマスク)
ファッショナブルなカラーリングが刺激的なブラックマスクは、鳥取県で活躍していた保冷車。厚みを持たせたウロコステンレス製のフロントバンパーには、アンドンと丸フォグをツライチで装着している。角マーカーを並べたバイザーや、サイドバンパーもスッキリとした仕上がりながら完成度を飛躍的に高めている。まとまりのよさが魅力的な、記憶に残る一台だと言えるだろう。箱マーカーも好印象な同車は、助手席ドアに安全窓が装備されていることから、1980年以降に発売されたモデルをベースとしていることが窺える。
07)日野・KF
箱に引かれたラインがスピード感を演出する某運輸。目に鮮やかなカラーリングとウロコステンレスの飾りで、独自のスタイリングを見事に確立している。厚みを持たせた迫力満点の舟型バンパーは、フェンダー部分がアール処理されているところに恐れ入る。キャビンはフロントグリルしかメッキ化されていないことに加え、デコトラには不向きともいえる風防でノーマル然とした雰囲気を醸し出している。 そのなかで高精度なウロコステンレス製の丸型バイザーや舟型バンパーが装着されているのだから、意外性があるのは当然のことだろう。あいにくフレーム部分は確認できないが、前後のスチールホイールも同色で仕上げられているようだ。縦型冷凍機を装備していると推察されるこのKFは、無二のオーラを全身から発している。
08)三菱ふそう・Fシリーズ
ニックを刻んだアンドン板が外されているため、この頃でも恵美丸を名乗っていたかどうかは不明。だが、車番はもちろん無二のデザインを誇る箱側面のペイントが、同一個体であることを鮮烈にアピールしている。
橙色で仕上げた台枠や門口、リヤバンパーも独創性満点の仕上がり。ホイールキャップは軸のみが装着されていないが、これは放熱効果を高めるための策。さぞかし、常日頃から重たい荷物を背負っていたのだろう。ウロコステンレスで化粧されたドアや、赤く塗られたライトベゼルも見逃すことのできないポイントだ。