不人気車種だったが故に中古車価格もリーズナブル!
日本でミニバンという言葉が使われるようになってから30年以上が経ち、ミニバンはファミリーカーとしてだけでなく、アルファードのような高級車=ショーファーカーとしても完全に市民権を得た。
現在、新車で買える日本車のミニバンはシエンタやフリードなどが該当する「コンパクト」、ノア三兄弟やセレナ、ステップワゴンの3強が構成する「Mクラス」、アルファード&ヴェルファイアのほぼ一強状態となっている「Lクラス」に棲み分けされており、どれも人気モデルとなっている。
しかし少し時を戻すと、個性に溢れて挑戦的だった故にあまり売れなかったモデルも少なくはない。とくに、そういった不人気ミニバンなら隣近所とクルマが被ることが少ないのが魅力。そんな個性派ミニバンたちを振り返ってみたい。
【絶版ミニバンその1:トヨタ・マークXジオ】(2007年発売)
2007年に登場したマークXジオは、じつはFRセダンのマークXとはまったく関係のない、FFのミドルステーションワゴンに3列シートを備えたモデルだ。このマークXジオは、2列目がキャプテンシート仕様の6人乗りとベンチシートの7人乗りの2タイプでスタート(終盤には5人乗り2列シートも設定)。1・2列目シートに座っている分には質感の高い良いクルマだった。
しかし、3列目が非常に狭いこととスタイルに強いクセがあることを理由に売れず、一代限りで絶版となってしまった。
【絶版ミニバンその2:日産初代ラフェスタ】(2004年発売)
2004年に登場した初代ラフェスタは、一時期爆発的に売れたトヨタ・ウィッシュやホンダ・ストリームと同クラスのモデルで、しかもスライドドアという点で使い勝手に優位性があった。初期モデルは各部の熟成が足りない印象であったが、比較的早い段階に改善され、これといった大きな弱点はなくなった。
また現在採用例が増えている大型サンルーフをいち早く採用したモデルでもあり、ラフェスタに強いこだわりなくミニバンとして割り切って使うなら、この点は最大の魅力と言える。なお、ラフェスタは3代目マツダ・プレマシーのOEMモデルとなった「ラフェスタハイウェイスター」に引き継がれ、その後絶版になってしまった。
【絶版ミニバンその3:ホンダ・エディックス】(2004年発売)
2004年に登場したエディックスは、前後にそれぞれが独立したシートを持つ、3人掛け×2列の6人乗りというフィアット・ムルティプラのようなミニバンだった。エディックスはシートがすべて独立しているため、前席中央席にチャイルドシートが付けられるなど親子3人が横一列に並んで座れたほか、全幅が広く取られていたため走行安定性に優れるなどの良さもあった。
しかし、乗車人数によっては乗車位置に悩む場合がある点や、「価格を考えたらストリームやステップワゴンのほうが7人乗れるし、お得に感じる」という同一ブランドでの関係性もあり、浮上しないまま一代で絶版となった。