LMP2マシンを初体験したサンシネナの感想は?
普段はルノー・スポールの空力エンジニアとして働く傍ら、週末はドライバー・コーチやクラシックレーシングスクールのドライビングレッスンも行っているという。LMP2マシンに乗る機会を探っていたなかで、ソーセ代表と共通の知人からの紹介があり、参戦の機会を得ることができた。
ただ、本戦への参戦は今のところ他のドライバーが決定しているため、現在のところ実際のレース参戦はヨーロピアン・ルマン・シリーズ参戦(開幕戦と第3戦)のみとなっている。ル・マン24時間耐久レースはリザーブドライバーとしてエントリーリストに名を連ねているが、それでもヨーロピアン・ルマン・シリーズでの実戦経験は彼にとって貴重なキャリアのひとつになったに違いない。
2度目のLMP2レースを終えたサンシネナ選手に話を訊いた。
「自分のクルマ人生の中で一番素晴らしい経験だった。マシンは想像以上にパワフルでブレーキもすごく利く。ドライブすることはすごく楽しい時間だったよ。2レース走ってマシンにも慣れてきてその理解も進み、タイムも縮められてきたと感じている。レースはもっとできるといつも思っているから、今日のレースは75点くらいかな。(マイナス25点については)やっぱりシーニュ(高速コーナー)の入り方をもっと改善して、タイムを削りたいって思うよ」
「(ふたりのドライバーは)とにかく感動だし、尊敬としか言いようがない。この速さのクルマをあのシステムで、他とほとんど変わらない速さで走れるのはすごいことだと思う。もし自分が同じシステムを使って走るとなったら同じように走れるか正直自信がないよ」
われわれが日本国内で目にすることができる「アルピーヌA110」のエアロダイナミクス・エンジニアとして関わっていたという。そしてこの日もレースが終わると「明日から仕事だから」とフランス・パリの南西部にあるレ・ジュリス(ルノーのスポーツカー開発拠点)へ向けて、早々にサーキットを後にした。
去り際に「今、何をしているかは言えないけれどね」と次期車両の開発を匂わせてくれた。