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「13年超の重課税」が入り口? 何年経ったら新車は「旧車」になるのか

90年代の名車たち

R32GT-Rや初代NSXはもはや立派な旧車!?

 令和になって3年、昭和が終わって32年……。昭和のクルマはまるごと旧車と呼んでも差し支えないと思うが、平成初期の名車たち、日産スカイラインGT-R(R32)やユーノスロードスター、ホンダNSX(NA1)、トヨタ・セルシオ(初代)などは、旧車に入ってくるのかこないのか? 改めて旧車の定義について考えてみよう。

 まず日本クラシックカー協会が主催するJCCAクラシックカーレースの参加車両規定を見ると、「1975年までに生産された車両およびその同型車に限り1979年までに生産された車両」という一文があるので、これがひとつの目安にはなる。

アメリカの25年ルールや自動車税アップもひとつの目安

 そして、アメリカでは生産から25年経過したクルマをクラシックカーもしくは骨董品として扱われる。原則輸入が禁止されている右ハンドル車を含めて輸入が解禁され、関税や排ガス規制までも対象外となる、いわゆる「25年ルール」があるのはご存じの通り。このルールから考えると、今年からは1996年以前のクルマが、クラシックカーの対象になるわけだ。

 日本では、アメリカのようにはっきりした旧車の定義は見られないが、旧車に対する税金の重課だけは行っている。2002年度より導入されたグリーン化税制によって低公害車の税金を安くする代わりに、新規登録から13年経ったガソリン車は自動車税を約15%も重課! さらに自動車重量税も新規登録から13年超で一段階、18年超でもう一段階高くなる仕組みになっている。

 新規登録から13年超の古いクルマ(EV・HV以外)は環境負荷が大きい。だから重課するというのが政府の言い分。だがこれはあくまで建前で、官民一体での新車の買い換え促進プランだと思っている人が大半だ。その税制の正当性はともかくとして、日本での旧車の線引きとして「13年(18年)」がキーワードになるのは間違いない。

自動車の平均使用年数「約13年」がターニングポイントか

 また国内の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数(=新車から廃車にするまでの期間)は、13.26年というデータもある(一般財団法人 自動車検査登録情報協会調べ 平成31年3月末)。この数字からも、13年超のクルマはお達者、いや「お達車」といえるし、自動車メーカーの補修部品も、製造中止から13年も経つと製造廃止になる部品が増えてくる。そういう意味で、平成初期の名車たちファンには不本意かもしれないが、ひとまず13年以上前のクルマ=旧車と定義してもいいのではないだろうか。

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