2ペダルAT車でのサーキット走行は駆動ロスと耐久性がネックに!
しかし、プロクラスのドライバーが本気でサーキットアタックするとなると、一般車ではMTのほうがまだまだ速いのが現状だ。その理由はATにしてもCVTにしても、サーキット走行を目的とした制御プログラムがなされていないからだ。
また、ATはトルコンによる駆動力ロスと重量が重いこと、CVTは油圧駆動のパワー損失が大きく、オイルクーラーなどの熱対策をしていないのでオーバーヒートしやすいことが挙げられる。 レーシングマシンのように機械的にトランスミッションをアクチュエータで変速するならMTと同じ効率で操作ミスもなく軽く作ることも可能となり速さに繋がる。しかし変速ショックや市街地での半クラッチ制御に向いてなく、また耐久性やコスト的にも高くなってしまう。
サーキットに適したクルマなら2ペダルAT車でもMT車をカモれる!
近年はDCTといったMTとATを両立した2ペダル車も登場している。DCTは制御次第でレーシングカーの2ペダル車並みの駆動効率を引き出せ、シフトミスを防いで変速ショックも少なくできる。
ただサーキットで速く走らせるには専用のキャリブレーション(調整)を行い、制御プログラムを組み入れる必要がある。これまでのところサーキット走行でも問題なく扱えるDCTは、ポルシェのPDKやメルセデスAMGのAMGスピードシフトなどドイツのスーパースポーツが搭載するもの。また、ファラーリやランボルギーニのオートクラッチも優れている。
これらはオイルクーラーやローンチコントロールなども備えていて、ギヤ段数も8速以上と過激に進化している。しかし、一般的なユーザーにはあまりに高価だろう。ジムカーナやショートサーキットを短時間で楽しむならAT車でも問題ないが「速さを競う」「スキルアップを求める」ならMT車の操作をマスターするのが一番近道ではある。
そしてサーキット走行にも適している2ペダル車であるかどうかを見極める知識を養うことが重要なのだ。