シリーズランキング3位はキープ
アメリカで人気のカーレース「NASCAR(ナスカー)」の「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」という3大カテゴリーのうちのひとつ、トラックシリーズに参戦している「HATTORI RACING ENTERPRISES(HRE)」。ナスカーの世界で唯一の日本人オーナーである服部茂章代表が率いるチームだ。このトラックシリーズに長年参戦をつづけ、2018年にはそのタイトル獲得の経験を持つが、今シーズンも若手ドライバー、オースティン・ヒル選手を起用しゼッケン16を付けたトヨタ・タンドラで挑戦を続けている。
超高速オーバルコース「テキサス」が舞台
今季のナスカーも新型コロナ感染症の影響を受けてはいるが、予定通り第11戦「SpeedyCash.com 220」を6月12日に開催した。その開催地はテキサス州・フォートワースにあるテキサス・モーター・スピードウェイ。そのトラックは1周1.5マイル(2.41km)のクワッド・オーバルコースで、コーナーには24度という深いバンク角がついており、最高速度は320km/h超えを記録する超高速トラックと言われている。HREは今回アイシン・カラーの「#16 AISIN TOYOTA TUNDRA」でこの地に乗り込んだ。
このトラック・シリーズ第11戦はフリー走行や予選を行わない、決勝レースのみのレースフォーマットを採用。そのスタートのグリッドは前戦の結果からの抽選で、16号車は5番グリッドを獲得している。そして迎えた正午。グリーンフラッグが振られて147周のレースがスタートした。今回のレースは、第1ステージが35周、第2ステージが70周の各チェッカーの後、最終ステージを迎える3ステージ制となる。
3列目イン側から好スタートを決め、まずは4番手に浮上し翌周には3番手に順位を上げたヒル選手はこの上位集団の中でトップを追っていく。後続のクラッシュで21周目にイエローコーションが出され、後方車両がピットインしていく中で16号車はコースに留まり、35周目の第1ステージのチェッカーを3位で受けて、ステージポイントを獲得する。続くステージブレイクでのピット作業を終え11番手でコースに戻り、第2ステージをスタートする。
この第2ステージは序盤で中段の混戦に阻まれ、ヒル選手は12番手に後退。混戦の中でタービュランスと呼ばれる乱気流が起こり、これが車両を不安定にしてペースが上げられない状況が続く。61周目に後続のクラッシュによりイエローコーションが出されると、このタイミングでチームは最終ステージでのスタートポジションを上げる戦略に切り替え、16号車にピットインを指示。ヒル選手はピット作業を終えて17番手でコースに戻る。そして第2ステージ残り5周でリスタートとなると、ここでもヒル選手はスタートダッシュを決めてすぐに14番手、さらに69周目に11番手にポジションアップし第2ステージのチェッカーを受ける。