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「所有して17年、故障なし」! 70オーナーが語る「ランクル」本当の魅力とは

筆者のランクルイメージ

新型の発売間近で世界が注目!

 まもなく生誕70周年を迎えるランドクルーザーはトヨタ・ジープBJ型として、1951年8月に産声をあげた。以降、70年間に渡り「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」という伝統と使命を守りながら進化してきた。6月9日(日本時間10日)には、ランドクルーザー200の後継モデル300系がワールドプレミアされ、14年ぶりのフルモデルチェンジに期待が高まっている。

 そんなランドクルーザーは2020年末の時点で、世界170の国と地域で累計約1040万台、年間30万台以上を販売(レクサス「GX」「LX」を含む)してきた。生活に必要とされるクルマとしてだけではなく、このクルマに魅了された世界中の愛好家たちに支えられて今日に至っているが、筆者も1040万台のうちの1台を所有しているランクルファンのひとりだ。

ランドクルーザーはただのラグジュアリーなクルマではない

 近ごろは「ランクル=高級車」というイメージを持っている人も多いようだが、これは正解であり間違いでもある。とくに100系以降は豪華装備や先進技術を投入した結果、車両価格がアップ。高級車化が進んだことに間違いないが、ランドクルーザーの本質は「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」だ。

 そのためにラダーフレーム構造を守り、つねに新しいデバイスを投入。たとえほかのクルマが音を上げるような悪路だったとしても、乗員を安全に確実に目的地に運べるように設計されている。さらに、仕向地によっては豪華装備を排除した、日本のモデルよりもシンプルなグレードが設定されていたりもする。

フツーの人にはオーバースペックか?

 筆者の愛車はヘビーデューティー系ランドクルーザーの代表とも言える2004年式の70系だが、注文時にメーカーオプションのデフロックを選択した。子どものころから憧れていたクルマを新車で買えることに喜びを感じるとともに「もしものときに役立つお守り」として、14.9万円を追加で支払った。

 滅多にオフロードを走ることがない筆者にとっては明らかにオーバースペックだ。もちろん、この17年間でデフロックを使ったのは数えるほどしかないが、取材でオフロードコースのなかに入るときなどは非常に心強い。

 休日はキャンプやカヌー、SUP、MTB、スキーに出かけることも珍しくないが、最大で大人5人が乗車でき、十分な荷物を積んで、なおかつアクセスの悪いロケーションに余裕をもって行ける安心感は何事にも代え難く「ランドクルーザーで良かった」と思うときは意外と多い。

 また、筆者のライフスタイルや住宅環境、経済的な事を考慮するとこれに代わるクルマがほかにないというのも正直なところ。輸入SUVやステーションワゴンに憧れたこともあったが、もしも乗り換えていたらこんなに長い期間、同じクルマに乗っていなかっただろう。

高級車化した現行型も究極のオフロード性能をもつ

 いわゆるステーションワゴン系ランドクルーザーの80系や100系にもリヤデフロックを装備することができたし、100系の一部グレードには走行時の車高を一定に保つ「AHC」や、路面状況に合わせて減衰力を制御する「スカイフックTEMS」などの新技術が投入された。

 200系にはあらゆる路面状況に対応できるデバイスが備わっていて、走行シーンに合わせて5つのモードから選択することで、トラクションコントロールとブレーキ制御を最適化してくれる「マルチテインセレクト」を採用。加えて繊細なアクセル&ブレーキコントロールを必要とする悪路走行時に、エンジン出力とブレーキを自動的に制御しドライバーをサポートする「クロールコントロール」などが投入された。

 まもなく発売される300系においても、さらに進化した電子デバイスが投入されることは間違いない。また、一部のグレードにはフロントデフロックが装備されるとのウワサもある。

ランドクルーザーという選択肢

 日本において新車で購入できる(6/24時点)ランドクルーザーは、150系(プラド)と200系。まもなく発売される300系の価格はまだ発表されていないが、200系のエントリーモデル(GX)が480万円台からだったことを考えると、500万円を超えてくる可能性は否定できない。一方、150系(プラド)は360万円台(TXガソリン)から。ハリアーのガソリン4WDのミドルグレードとほぼ同じ価格であることを考えると、十分に選択肢になるのではないだろうか。

 とくに100系以降のランドクルーザーは、十分な車内空間とオンロードでの快適性に磨きがかかっていて、乗用車から乗り換えても違和感が少ないはずだ。燃費や快適性については、今どきのSUVやミニバンに劣る部分もあるかもしれないが、そんなことは些細なこと。ランドクルーザーはそんな気持ちにさせてくれるクルマなのである。

まとめ:1/1040万の感想

 筆者は20歳前半のころから今日まで、社会人になってからずっとランドクルーザーが愛車だ。ビジネスや通勤で使っていたこともあるし、仲間を載せてキャンプに出かけたこともあるし、トレーラーを借りて牽引したこともある。ランドクルーザーだけで引越しをしたこともあるし、好きなコを乗せてドライブしたこともある。

 今はおもに子どものころから好きなアウトドアスポーツのトランスポーターとして活躍している。大人ふたり+愛犬とキャンプ道具に加えて、カヌーとMTBを積んでも文句を言わずに走る姿はじつに頼もしい。この17年間、一度も故障したことがなく、クルマが原因で行動範囲が制限されたことはない。そんなことから愛車に絶対の信頼を置いている筆者は、災害時や急な出来事に備えて、つねにエマージェンシーキット、無線機、最低限のキャンプ道具と非常食を積載。燃料は半分以下になったら必ず満タンにするようにしている。

 少し大袈裟かもしれないが「どこに何をしに行くにしても迷わず出かけられるクルマ」だ。少なくとも筆者がしたいことはすべて許容してくれる、それがランドクルーザーなのだ。こんなおおらかなクルマがほかにあるだろうか。これが17年以上もの間1台のランドクルーザーに乗ってきた1/1040万の感想だ。

 世界が認めた究極の和製四駆・ランドクルーザーはアウトドア派はもちろん、1台で何でもこなしたいという人にはピッタリのクルマだと思う。ランドクルーザーという乗り物は、乗る人のライフスタイルを支えてくれる頼もしいパートナーなのである。

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