コロナ禍に負けない伝統のレースイベント
アメリカ・コロラド州にあるパイクスピークという山を舞台に1916年から開催されているパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(通称:パイクスピーク)が今年も無事にレースウィークを迎えることとなった。
競技区間約20kmの中には156ものコーナーがあるが、その路面は以前はダート(砂利)だったが、現在は全面アスファルト敷きとなっている。
レーススケジュールは決勝日の前週の月曜が車検日。その後火曜から木曜までの3日間が練習走行と予選、金曜日は最終調整のための練習日があり、完全な休息日となる土曜日を挟み、日曜日の朝から決勝走行となる。2021年の決勝日は6月27日(日)だ。
年々巨大化する「ウイング」に注目してみた
今回のパイクスピークには4輪車両59台がエントリーしている。このパイクスピーク車両といえば、大きなウイングを備えた超空力マシンというイメージが強い。
#31 Enviate Hypercar Evolution:「小さく前ならえ」式縦型フィン
まず注目なのは、#31 Enviate Hypercar Evolutionと名付けられたアンリミテッドクラスに参戦のポール・ジェラード選手のマシン。車両の概要が良くわからないので製作者のコーディ・ラブリン氏に聞いてみると「フルスクラッチ」のマシンだという。フルスクラッチ、つまり手作りのクルマ。
#8 ベントレー・コンチネンタルGT3:「掃除機」のようなフロントウイング
手作り感満載の車両もあるが、もちろん市販車でもしっかりとウイングを装着した車両も登場する。リース・ミレン選手が持ち込んだ#8 ベントレー・コンチネンタルGT3もそのひとつ。GT3マシンでありながら、前後にエアロキットを組み込んでいる。
#13ホンダ・シビックSi:もはやバンパーよりチンスポイラーが主役
カナダのウイリアム・オウ-ヤン選手とVibrant Performanceの#13ホンダ・シビックSiは、オーストラリアで開催されているWTAC(World Time Attack Challenge)に参戦したり、筑波のFF最速レコード(53秒071)を樹立している車両。こちらもベースはタイムアタックマシンだが、パイクスピーク参戦のために空力パーツを装着している。
まとめ:真剣勝負が故に空力付加物も「本格的」になってしまう
最後に、250psを発揮する2Lディーゼルエンジンを積んだ1972年式のフォルクスワーゲンBug。こんな旧車でもきっちりと前後スポイラー装着だ。
笑ってしまうほどの大きなウイングやチンスポイラーやカナードだが、参戦するほうは至極真剣にこれらを装着している。その効果は実際に参戦してみないとわからないかもしれないが、これらのウイングカーの活躍を期待したいところ。第99回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、現地時間6月22日(火)から3日間練習走行及び予選セッションが行われ、25日(金)に最終の練習走行が予定されている。そして27日(日)に決勝を迎えることとなる。