発表前にGRが提案したカスタマイズとは
いよいよ新型GR86とスバルBRZの発売が年内に迫っている。現行の86&BRZユーザーでなくとも、お手頃なスポーツモデルとして注目している方も多いことだろう。6月6日に富士スピードウェイで開催されたイベント「FUJI 86Style with BRZ」では発表前にもかかわらず、有名チューニングメーカーがコンセプトモデルを展示して話題となった。
それだけでなく「GR」として2台のコンセプトモデルを発表! すでにお披露目していた「GR PARTS CONCEPT」とその流れを汲んだ市販想定モデル「GRパーツカスタマイズコンセプト」について、詳しく紹介したい。
モータースポーツを支える「GR」という役割
トヨタが展開する「GR」の特徴は「モータースポーツを軸としたクルマの開発」だ。次期型はトヨタ86ではなくGR86を名乗ることからも、その主流となることは間違いない。実際現行モデルから続く「86/BRZ Race」は、モータースポーツの裾野を広げる貴重なワンメイクレースだ。
クルマに限らず展開するパーツについてもコンセプトは変わらない。ただサーキット向けアイテムがあるというだけではなく、ストリート向けを前提としている。GR86については「レギュレーションの枠を超えたコンセプトモデル」を開発し、そこから得た経験や技術をストリートに落とし込むという手法を展開している。
GRパーツ開発のために生まれた究極のGR86
そんな中、まず誕生したのが「GR86 GRパーツコンセプト」だ。これがまた存在感著しい。GR86というベースを崩すことなく、各部に「レーシング」を思わせるパーツが配されている。「レギュレーションの枠を超える」というコンセプトやフロントグリルなど各部の造形を見ると、2013年の東京オートサロンでお披露目された「86 TRDグリフォンコンセプト」を彷彿とさせる。
「フロントウィング」と名付けられた張り出し感の強いフェイス。バンパーだけでなくさらに上のレーシングさが表現されている。また、グリルの造形もポイント。サイドスカートも凝ったデザインで、前後のオーバーフェンダーを上手く融合。
このオーバーフェンダーはフロント245/40R19、リヤ275/35R19を収めるため、86mm広げられている。エアアウトレット付きであり、さらに見た目だけでなくしっかりとダウンフォースを考えたデザインだ。ホイールはアルミ鍛造の削り出して、足元に個性を強調する。
リヤセクションも純正のデザインを強調するようなバンパーにディフューザーやカナードを追加。大型のリヤウイングと共にダウンフォースを生み出す。
こうした見た目だけでなく、マフラーは4本出しへと変更し、サスペンションキット(恐らくレース用車高調と思われる)やモノブロックブレーキキットも投入。これぞ「究極のGR86」とも取れるコンセプトモデルに仕上がっている。ベース車両の発売前から、GRパーツ開発のため、すでにあらゆる実験が行われているのだろう。