カウンタックLP500のベース車両はトヨタMR-Sだった!
1990年代初頭は第二次スーパーカーブームと呼べる時期で、フェラーリ・テスタロッサ、ランボルギーニ・ディアブロ、デ トマソ・パンテーラなどが注目されていた。そのような状況の中で、シンジさんの愛車は、マツダ・オートザムAZ-1とシトロエンXMの2台態勢を維持していた。
とはいえ2000~2003年頃にカウンタックを買おうかなと、ふと思ったことがあるという。しかし、カウンタックLP400の売り値は、その当時ですでに2000万円と高額。さすがにその金額を用意することはできなかった。
「ミウラのレストアが盛んになり、1000万円だったものが8000万円になり、カウンタックのほうも手が出なくなりました。いまでも本物は凄く高価ですよね。ランボルギーニは、1963年からずっと同じ12気筒エンジンを使っていましたが、個人的にはあの重い感じがするエンジンフィーリングが好きではないんです。重いクラッチもイヤ。エアコンが効かないのもツライ。ということで、レプリカもいいかな? と思ったんです」
「昔からレプリカを造っているショップによく行っていました。以前のレプリカって、切った貼った感がありましたね。それで、ニュージーランドにあったカウンテス(キットメーカー)がカウンタック・レプリカを造らなくなったので、懇意にしていたショップからトヨタMR-Sベースで造るようになると言われたんです」
「あるとき、友人にMR-Sベースのカウンタック・レプリカをオーダーしようと思っていると相談したら、金をドブに捨てるようなものだ、と言われたことがありました。ほかにも、そう思っている方がいるかもしれませんね……」
「多くの人は1.8Lエンジンを積んでいるカウンタック・レプリカは、あり得ないということなんでしょうね。特にアメリカではあり得ないわけです。海外の人は、エンジンのパワーが重要。ナンセンスだと思っているでしょうね」
「でも、自分は運転するのがそんなに好きではないんです。長距離を走るのが苦手なので、このぐらいの排気量でちょうどいいとも言えます。ということで、家のガレージで愛車を眺めるのが好きなんですよ。1/1スケールのミニカーとして楽しんでいます。今後、モックアップのマーケットがあるような気がするんですよね。ガレージのオブジェとして。いまはプリンターで出せる時代ですからね」
友人の賛同を得ることはできなかったが、実際にMR-Sベースのカウンタック・レプリカがショップから3~4台販売されていたのを見かけたときのこと。「少し腰高だけど、それをちょっと下げればなかなかイイな」と、シンジさんは思ったようだ。