1/24スケールのプラモデル制作と同じ工程で作業
そして、どうせオーダーするならLP500がいいと思い、ショップにLP500はできますか? と訊いてみたらできると言われたので、2017年6月にMR-SベースのLP500をオーダー。AZ-1は発売まで3年待ち、XMは5年待って買い、カウンタックは46年経ってオーダーしたのだ。
「大人になってからLP500のことを知って、これはキレイなクルマだなと思ったんです。カウンタックは、進化する過程で、どんどんデコラティブになっていきました。でも、やっぱりシンプルなLP400までのデザインが好きなんです」
「LP500は、ショーモデル兼走行テスト車だった本物がクラッシュテストにも使われてしまい、もはやこの世に残っていないので、1/1スケールで存在している場合、そもそもレプリカなんですよね。本物は、5Lエンジンを積んでトラブルが出て、既存の4Lエンジンを載せたりもしていました。走行テストでは、ミラーとワイパーを付けたりし、ダクトも付けていたみたいですね。どうやらクラッシュテスト時まで、全部付いていたようです」
資料集めなどに時間がかかったので、2019年のお正月から造り始め、同年の9月に完成したのだという。ランボルギーニが公開している数枚の写真とプラモデルやミニカーを作っている人たちの資料しか存在していないので、1/24スケールのプラモデル制作と同じ作業を実践していった。では、具体的にどうのようにしてLP500にしていったのだろうか?
「ショップの人と話した結果、LP400レプリカ用の型をベースに、それを修正しながらLP500に化けさせていきました。問題はLP400からLP500にどう変えるか、ということですね。外装のディテールは、写真とミニカーを参考にして合わせてもらいました」
「プロモデラーによるLP500の制作過程を拝見したら、同じことをやっていましたね。こだわったのは、ボディから出っ張っているところです。具体的に説明すると、潜望鏡とインテークです。LP400との大きな違いは、そのぐらいですからね。LP400の潜望鏡が好きなんですよ。潜望鏡、エンジンフード、トランクフードという3つの台形によって構成されているリヤのスタイルが好きです」
「ボディカラーが薄い色の場合、台形の中でブラックになっている部分が凄く目立って活きるわけです。そのシマシマ加減がスーパーカーカードで見るとカッコよかったですね。ランボルギーニ・カウンタックとフェラーリ・デイトナは、お尻がポイントだと思っています。テールランプはLEDで、自分でイラストを描いて造ってもらいました。ヘッドライトの中は、往時の写真がないのでシルバーにしてみました」
内装は市販モデルに近づけて再現
内装は、LP500のディテールを追求するとキリがないので、カウンタックの市販バージョンを参考にしているとシンジさんは言う。基本的にLP400レプリカの構造をベースとして、ステアリングホイールはメーターの視認性をよくするためにヌッチオ・ベルトーネという名のアイテムをチョイス。
スイングアップドアの構造などもLP400レプリカをベースにしている。ガラスはハメ殺しとし、パワーウインドウ機構をなくし軽量化。できるだけ低重心にしたほうがいいからだ。窓はモールを貼って再現してあるだけで、当初スチールの太いフレームだったが、一年ぐらいしてから、現在の細いタイプに変更している。 本物のカウンタックは、モールを境界線として、窓の角度が途中で微妙に変わっているそうだ。ドアノブは寸法を伝え、指が入るぐらいのサイズのモノを作ってもらったのだという。
視界は普通のクルマの1/3程度しかなく、下も信号も見えない……。停車状態から公道に斜めに出るときや側道から本線に合流するときも、他のミッドシップ車と同じように後方をまったく確認できない。そういったこともあり、後方確認用のカメラとバックランプをナンバープレート付近に付けている。