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「ベースは、え、MR-S!?」レプリカと言うには完成度が高すぎる「トヨタ・カウンタックLP500」

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: LAMBORGHINI/Citroën/シンジさん/高桑秀典/Auto Messe Web編集部 米澤徹

MR-SとLP500のホイールベースはまったく同じだった!

 今回別ルートでショップの制作スタッフにこだわりポイントを聞くことができた。その内容はLP500の制作は面白かったのかスタッフも気分が乗ったらしく、随所に職人魂を発揮してくれたというのだ。特にボディの面出しに時間をかけてくれたとのこと。トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

 その一方で、制作スタッフにできるだけ負荷がかからないように内装は妥協したのだという。そのディテールやスペックを列記すると、MR-SとLP500のホイールベースは偶然にもまったく同じで2450mm。LP500レプリカの全高は1050mm。トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

 4本出しマフラーはワンオフ。サスペンションはMR-Sのままなのでマクファーソンストラット。70扁平タイヤとマクファーソンストラットなので、車高を下げきれていない。本当は、あと5cmぐらいフロントを下げたいとか。ほかにもビタローニのセブリングミラー・レプリカを装着。トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

 また本物のLP500と同じようにフロントバンパーには長方形の穴を開け、カウンタックという車名を表示している。ちなみにフロントフード内にはパワーステアリングオイルとウォッシャー液の補充口がおさまる。トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

 ホイールはカンパニョーロのリプロダクションで、じつはこれも高価だという。猛牛のマークを留めているリングは1個1万2000円もしたとか。14本スポークホイールになっているが、本物は20本スポークで、前後の形状が異なる。排気量1.8Lの1ZZエンジンを積んでいる。FRP製ボディで、車重は1050kgという感じだ。トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

動力性能を考えるとボクスターのほうが良かった

「MR-Sをベースとして、やれることをやりました。でも、もうちょっとできるのになぁ~と思う部分もあります。動力性能のことを考えると、MR-Sベースではなくもう1台選択することができたボクスターでもよかったかな? と思っています」トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

 いま、友人がミウラのレプリカを造っているのですが、フロントセクションの長さ、エンジンの搭載位置、キャビンの場所、シートの位置など、クルマによってさまざまなので、さまざまな制作パターンがあります」

「例えば、NCロードスターとトヨタ2000GTはホイールベースが同じで2330mmで、パッケージングが似ているのですが、ベース車をモディファイしていくのではなく、フレームを組んで制作していくほうが全体の佇まいがよくなったりしますからね」

「日本人はカウンタックが大好き」それに尽きる

 取材中も多くの人がスマホを向け写真を撮ったり、しげしげとクルマを眺める光景をみた。では、完成直後の周りの意見はどんな反応だったのだろうか?

「LP500を見た一般の人の感想は、ん、車高が高いな? と思って検索して、LP500のことを知るといった感じだと思います。実はこのLP500が完成してから、あんまり皆さんに見せていないんですよ。2019年の年末に納車してもらい、昨年はイベントが少なかったこともあり、さほど外に出していないですからね」トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

「自動車趣味人ではない普通の方々は、面白いことにディアブロもアヴェンタドールも全部カウンタックだと思っているんですよね。日本人はカウンタックが大好き。それに尽きると思います。ぼくの周りの人たちも、みんなカウンタックが大好き。このクルマは本当に特別な存在です」トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

「ほかの何にも似ていませんからね。LP500を見ると、クルマ好きであればあるほど存在するはずがないものがココにある、と驚いてくれるのがいつものリアクションです。スーパーカーブーム全盛時に一世を風靡したコンセプトカーが街中に現れることはないので、そこへの驚きもありますね」

助手席に乗って分かった再現度

 排気量1.8Lの直列4気筒エンジンを積んでおり、オーナーのシンジさんがベース車はボクスターでもよかったかな……と言っていることもあって“乗るとMR-Sのままなのか?”と思っていた。

 編集のYさんが「助手席に乗ってインプレッションしてきてください」というので、太いサイドシルをまたぎお尻をシートに滑らすようにして乗り込む。先に結論から言うと……まったくそんなことはなかったのだ。トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ 端的に説明すると、ワンオフで製作された4本出しマフラーが奏でる排気音が非常に豪快。なおかつ、内装の仕上げもいいので、動き出した瞬間からカウンタックに乗っている気になった。トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

 本物のカウンタックでも助手席インプレッションをしたことがある筆者が“これはカウンタックだ!”と思った。おそらくカウンタックに乗ったことがない人がLP500レプリカの助手席に座る機会に恵まれ、これは本物です、と伝えられたら、おそらく、まったく疑うことなく信じるであろう。トヨタMR-Sをベースにしたランボルギーニ・カウンタックLP500レプリカ

 見ても乗っても楽しめる点がLP500レプリカの魅力である。

【詳しくはこちら】

 ちなみに現在、LP500を制作したショップではランボルギーニ・ミウラおよびカウンタック、トヨタ2000GT、ランチア・ストラトスのレプリカ制作をオーダーできるという。気になる方はシンジさんのTwitter宛てに問い合わせてほしい。

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  • 1971年にジュネーブショーで登場したランボルギーニ・カウンタックLP500
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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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