手頃なMR-Sを狙うのはラストチャンス
日本初の量産ミッドシップ車として1984年に登場したMR2。1989年には2代目へと進化を果たし、初代のカローラ系ベースからセリカ系ベースへと大型化。エンジンも1.6Lから2Lへとクラスアップを果たしていた。
MR2はミッドシップレイアウトということもあって、デビュー当初はピーキーなハンドリングが危険とすら評されていたが、2世代目は10年という長いモデルライフの中で数多くの改良を重ね、通称5型と呼ばれる最終型は非常に優秀なミッドシップスポーツカーへ昇華していたのだった。 そんなMR2は1999年に販売を終了し、後継モデルとしてMR-Sが登場することになる。
ロードスターよりも軽量に仕上がっていたMR-S
MR-Sは1995年に東京モーターショーに展示されたMR-J、そして1997年に東京モーターショーに展示されたMR-Sを経て発売されたもの。今までのMR2とは異なる手動式のソフトトップを持ったオープン2シーターへと変貌していた。
エンジンも初代、2代目に設定されていた過給機付きのものはなく、全車140psを発生する1ZZ-FE型の1.8Lの直列4気筒エンジンが搭載されていた。
当時、同じ1.8Lエンジンとしては190psを誇るセリカやロータス エリーゼにも供給された2ZZ-GE型エンジンも存在していたが、あえてローパワーの1ZZ型が採用されたのである。MR-Sがライトウエイトオープン2シーターとして新たな価値観を創造しようとしたからにほかならない。 同世代のライトウェイトオープン2シーターといえば、言わずと知れたロードスター(2代目)が存在しているが、あちらは最も軽量なモデルで990kg。これは1.6Lエンジンのエアコンレスモデルとかなりスパルタンなもの。
一方のMR-Sは全車1.8Lエンジンで、エアコンを標準装備した充実のSエディションでも970kgとロードスターよりも軽量に仕上がっていたのである。つまり、ライトウェイトスポーツのイメージの強いロードスターよりも軽量で、ミッドシップレイアウトという究極のハンドリングマシンに仕上がっていたのがMR-Sということになるのだ。