2ペダルのシーケンシャルマニュアルトランスミッションが設定されていた
なお、モデルライフ後半ではトランスミッションの多段化や衝突安全性能の向上などにより車両重量が増加してしまっているが、それでも1010kgと最小限に留めている(2代目ロードスターRSは1080kg)。
そんなMR-Sはピュアスポーツカーとしてリヤトランクもなく、3ペダルマニュアルモデルのみという硬派なラインアップとなっていたが、2000年8月に国産量産車初となる、2ペダルのシーケンシャルマニュアルトランスミッションが設定される。
これはマニュアルトランスミッションをベースに作られたものだ。変速時のクラッチ、シフト、アクセル操作を電子制御化することで、チェンジレバーを前後方向(シーケンシャル)に操作するだけでシフトアップ&ダウンができるというもの(ステアリングスイッチでも変速可)。
当然ながらクラッチペダルがないため、AT限定免許でもMTに匹敵する走りを楽しむことができると話題になった装備。しかしクリープ現象はなく、シフト操作をしない限り変速することがないため、イージードライブを目的とする人には不向きとなっていた。
また、現役当初からシーケンシャルミッションはトラブルが発生するという報告も多い。現在中古車で狙う場合は必ず試乗をし、動作に問題がないことを確認するのはマストと言えそうだ。
マイナーチェンジで6速化された
2002年8月にはマイナーチェンジが実施され、灯火類の変更といった見た目の変更のほか、タイヤサイズの拡大やボディ剛性やサスペンション剛性のアップ、そして5速ミッションの6速化(MT、シーケンシャルMT共に)という大掛かりな改良がなされた。
ただこの6速ミッションは、既存の5速ミッションとは1~5速、そして最終減速比含めて変化はなく、ただ単にハイギヤードな6速が追加されただけであったため、走りを重視する人はあえて軽量な5速モデルをチョイスすることもあるようだ。
と、このように実は2代目ロードスターに勝るとも劣らない戦闘力を持ち合わせているMR-Sだが、新車当時はスポーツカー冬の時代だったこともあってそこまで人気車種とはならなかった。しかし、昨今の国産スポーツカー高騰の影響を受けて、MR-Sもジワジワと中古車価格を上げているというのが実際のところ。
まだ全部が全部高いというわけではないが、低走行・高年式のものは軒並み価格がアップしており、手頃なMR-Sを狙うのはラストチャンスというのが正直なところだ。今後はこんな遊び心のカタマリのようなモデルが登場することは期待できないため、気になる人は早めに行動したほうがよさそうだ。