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日産は「決して諦めない」と言うけれど! 名車スカイラインが売れなくなった「4つの理由」

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: 日産自動車/Auto Messe Web

  • スカイラインの記者発表会

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  • V35セダン後期型
  • V35スカイラインのリヤ
  • ハコスカスカイライン

この記事をまとめると

■誰もが納得の圧倒的魅力が薄れた
■歴代の名物開発陣のような人が見えない
■経営陣の刷新で立ち位置が変わった

「スカイライン開発中止」とならないために何が必要か

 6月12日の日本経済新聞による「スカイラインの開発中止」の報道、読者諸氏の皆さんはどう感じられただろうか? 個人的には驚きはあったが、冷静に考えると世界的に見てもセダンの販売台数は低迷している。さらに、国内を見ても同世代生まれの伝統的ブランドであり、スカイラインよりも販売台数が堅調なトヨタ・クラウンですらセダンを生産終了し、SUVにカテゴリーチェンジというニュースが出る(編集部注:真偽は不明)のだから、スカイラインの生産を止めるという話はあってもおかしくない(日産は6月15日に報道を否定)。

 では、なぜスカイラインは売れないのか? また、往年のファンにも受け入れられないのか? 日本で一番ファンの愛情が深いクルマだけに、セダン離れ、ニーズの多様化以外にも理由があるはずだ。

売れない理由1:日本最強の高性能セダンとしての魅力が減衰

 スカイラインは性能をリードするセダンとして人気を集めてきた。S20やFJ20、RB20などクラストップのパフォーマンスを持つユニットを続々と登場させ、2Lクラスで羨望の存在だったのだ。

S20エンジン

 それが崩れ始めたのがR32以降で、GT-R×RB26という絶対王者はいたが、標準車は格下のランサー/インプレッサなどのWRC軍団に性能、速さで太刀打ちできなくなった。R33、R34に至ってはさらにそれが顕著となり、高性能セダンを求めるユーザーは他社に流れている。

R33セダン

 V35ではメルセデス・ベンツやBMWと並び称される新世代の高性能パッケージを投入して、ハンドリングや居住性などで時代をリードしていたが、残念ながらその素晴らしさは一般人には伝わりにくかった。やはりスポーツセダン出身のスカイラインはわかりやすい高性能モデルが必需品なのかもしれない。

V35セダン後期型 その証拠にマイナーチェンジで3Lツインターボが追加された現行のV37型は販売台数が躍進。一番人気は歴代&クラス最強の405psエンジンを搭載するトップグレードの400Rだというから、多くの人がパフォーマンスモデルを待ち望んでいたということだろう。もちろん、セダンは低迷しているから爆発的ヒットは望めないが、560万円オーバーでも売れるのだから活かす方法はあるように思う。

400R

売れない理由2:スタイリングに目新しさがなくなった

 個人的な好みはあるものの、性能だけでなくデザインでもユーザーを魅了してきた。特徴的なのは4代目以降に採用されたドーナツテール、3〜5代目に採用されたボディサイドのサーフィンラインで、スカイラインのアイコンとして広く認知された(これでファンの固定観念が強まった感もあるが)。

ハコスカスカイライン 丸テールなど伝統を排除したことでファンから不評であった11代目のV35もデザインに新しさを感じさせたが、10代目のR34は過去の人気モデルのいいところ取りをした懐古的なデザインで行き詰まり感があった。

V35スカイラインのリヤ

 さらにスポーティな方向に振り過ぎたため高級感が不足。アッパーミドルセダンを求めるメイン層(40代以上)を取り込めなかったことで販売は低迷。凋落傾向にあったスカイラインにとどめを刺してしまった。R31、R34、V37など歴代のさまざまな迷走っぷりが表に出るのは人気車種の宿命といえるものだが、ファンだけでなく開発陣もひとりひとりのスカイラインに対する思いが強すぎるがゆえに起こる悲劇かもしれない。

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