クルマに優しく、見映えの良いアイテムを装着した最小限のカスタマイズ
見た目でまず目を引くのがカーボンボンネット。「これはカローラ乗りの仲間内で作りませんか、という話になりまして。30台ほど集めて作りました」。製品はフルカーボンかつ軽量にしたいという理由で1枚+骨組みのみ。
「普通は2枚くらいは重ねるみたいですが。純正とは比較にならないくらい軽い。ハンドルの入りが気持ちいいくらい違います」。光にかざすと透けているのがハッキリと伺えるほど。
また、カーボン製だが薄いボンネットとエンジンの熱を車外に逃すために、走行後には必ずある程度の時間、ボンネットを開けておくという。「家族で買い物に出かけても、先に家族には店内に入ってもらって、自分はクルマに待機してボンネットを開けて置いて粗熱を逃してから店内に入るようにしています(笑)」。ターボタイマーならぬ、2、3分の熱冷まし待ちをしているのだ。
ヘッドライトはカローラワゴンのBZツーリング用ヘッドライトに変更。
「ハーネスのみの変更で付きました(変換ハーネスを作り、いつでも元に戻せる状態)。クリアランスランプの位置がワゴン(はヘッドランプ内)と異なるので、必要な配線処理をして装着しました」
さらにフロントグリルは100系のFX用に変更。色もボンネットに合わせたブラック系(205ブラック[メタリック入り])に変更。フィンには赤ラインのステッカーをあしらう。
フロントリップスポイラーはカローラワゴンのディーラーオプションを装着して、あと少しの低さを追求する。コーナーマーカーはオレンジからクリアに変更している。「クルマ雑誌のワゴニストで見つけて。まだネット通販のない時代の通販で買いました(笑)」。
ホイールはENKEIのNT03の17インチ。購入時はすでに廃番でオークションにて格安で手に入れた。とはいえ、この17インチの前は、同じNT03の16インチを装着する徹底ぶり。
「デザインが好きで。このクルマの年代的にも合っていると思いました。インチを大きくしたのは、最近の新型車はコンパクトでも純正は16インチ以上、セダンは17インチや18インチを履く時代に突入していますよね。だったらカローラも17インチでしょ!という思いで探しました(笑)。でもコレが限界。今後さらに大径時代が来ても18インチは無理です。リヤのクリアランスに余裕がないのでストラットやインナーフェンダーに干渉してしまうんです」
フロントに5mmのスペーサーを入れてフェンダーとはツライチ、ブレーキキャリパーもギリギリでかわしている。
「キャリパーをTRDのレビン・トレノ用として出ていた4POTのハイパフォーマンスブレーキキットに変更しています」
リヤはNT03のインセット32を入れた時点でフェンダーまで近づいたため、ツメ折り加工でツライチを演出する。
足まわりはTRD2000標準のショックとローダウンスプリングが入る。購入して26年の間、無交換。「正直ショックは納車して10年ほどで抜けている感覚があります(笑)。換えたいとは思っていますが、TRDはすでに廃番になっていまして。ただ車高調があまり好きじゃないんです。ほとんどがピロアッパーかと思いますが、これだと突き上げなどでダメージが蓄積しそうでクルマに優しくないと思ってしまいます」。それゆえに純正形状を探しているという。
タコメーターは4A-G用のまま?
MOMO製ギブリ4のステアリングは「以前所有していたAE82に付けていたモノを移植しました。4ドアセダンに似合うスポーティ過ぎないデザインが気にもう30年以上愛用しています」。 ステアリングをはじめ、シフトノブやMR2から移植したレカロシートのショルダー部分など、擦り切れそうな箇所も、経年劣化は感じるも、とてもいい状態を保っている。 TRD2000の納車時のホイールが鉄ちんだったり、交換した4A-Gエンジンは貰えないなど、335万円という当時の価格からすると不満はいくつかある。メーターに関してもソレを感じたという。
「タコメーターが4A-G用のままなんです。4A-Gは7700rpmがレッドゾーン。3S-Gは7200rpmがレッドゾーンです。細かいかもしれませんがそこは大事なところ。本来は換えないとダメですよね(苦笑)。なのでこの表示のレッドゾーンの前に、ちゃんと7200rpmでレブリミットがかかります(笑)」
今作ったとしたら、ここまでコストは膨らまなかった!?
「当時はまだコイルスプリングを変更しただけで改造車検となった時代。今でこそTRDやGRなどでクルマのカスタムを推奨していますが、(当時の)トヨタとしては改造を認めてなかったため、TRDが責任を持って車両を作るといっても一切関与していないんです。ベース車も完成した状態でTRDに一旦納車されて、載っていた4A-Gエンジンをわざわざ下ろしてから3S-Gを積んでいたので、そのぶん、余計に改造費がかかっているんですよね。だから今同じように作ったとしたら、もっと抑えられると思います」
もう少しコストを抑えられたら、販売予定の99台も完売していたかもしれない。
シリアルナンバー#4のTRD2000は27年目を迎え、今ではふたりのお子さんのパパになっているOサン。お子さんの年齢はOさんがTRD2000を購入した時期に近づいているというが、「多分譲らないと思います(笑)。中古のMT車を購入して練習してからですね」。