妙に走りがいいフルエアロ「軽ワゴン」！　異色のコンプリートカー「エブリイ・エアロツアラー」がスポーティ過ぎた

投稿日：2021.06.30

TEXT: 畑澤清志 PHOTO: モンスタースポーツ、Auto Messe Web編集部

空力改善＆チューニングの効果でハイト系ワゴンにスポーティさをプラス

　背高のプロポーションゆえ横風などの影響を受けやすいのが軽1BOXの傾向です。自社に風洞実験設備までも備えるモンスターらしく、空力を徹底解析し作られたGTウイングでマシマシになったダウンフォースが、安定した走りを提供してくれます。もちろんどちらの外装パーツも純正色への塗装代が含まれています。このあたりのボディパーツの色合わせにも余計な心配をしなくていいのが、コンプリートカーの利点です。

　そしていい意味で軽1BOXらしからぬ走りをもたらしてくれるのが「サスペンションセット」です。モンスターレッドが誇らしげなサスは、カリスマエンジニア粟津原豊さんらによる徹底した走り込みで仕上げられた逸品です。形状こそ純正に準じますが、内部にはリバウンドスプリングを内蔵。スタビライザー効果を高め、底付き感が抑えられた絶妙なセッティングを味わうことができます。コーナリングの楽しさとともに、横風に煽られた際のふらつきも減少するというメリットもあります。

　もちろん、排気系チューニングも施されており、装着される「TYPE Sp-GWマフラー」によってスポーティなテールエンド形状をアピールするだけでなく、常用域である3000～4000rpmでのピックアップが軽やかに向上する効果も与えられています。そしてレーシーなサウンドも、さすがモンスタースポーツという調律です。

　その他、ストッピングパワー（制動力）もマシマシです。ブレーキパッドには鳴きやダストの少ないストリート仕様の「type-e」がセットされています。利きに物足りなさを感じるようなら耐フェード性に優れたパッド「type-S2」やスリットローターもオプションで用意されているので、ステップアップするのもいいでしょう。

コクピットにもスポーティさが際立つカスタマイズが施される

　コックピットから見渡す視界では、ピラー内蔵のブーストメーターが気分を昂ぶらせてくれます。足元に映えるのは、これまたレッドの縁取りが施された専用フロアマット＆ラゲッジマットです。その他のショートパーツなどを含めた「AERO TOURER」の車両価格は213万700円となります。

　ベースとなるPZターボスペシャル（ハイルーフ/2WD/4AT）と比べておよそ39万円高の車両本体価格となりますが、各パーツを単体で取り付けた合計金額に工賃を含めるとかなりお得な価格設定となっています。

　また、ベース車のPZターボスペシャルは後席に両側パワースライドドアを備える装備充実の売れ筋グレードですが、そこまで過剰でなくてもいいというユーザーに向けてはPZターボ（片側のみパワースライドドア）や、オートエアコンなど必要充分な装備に絞られたJPターボをベースに構築することも可能です。

　取扱いは、函館（北海道）／仙台（宮城）／千葉（千葉）／江戸川（東京）／東名横浜町田（神奈川）／静岡磐田（静岡）／三原本郷（広島）／福岡（福岡）の全国８拠点の“聖地”TAJIMA/モンスタープロショップです。それぞれの地域に根ざした高度なサービスが自慢で、どんな相談にも応えてくれます。

タジマキャンパーから人気の車中泊仕様「E340W」もリリースする

「AERO TOURER」のほか、ローダウンスプリングにカーナビ、バックカメラ、ETCをセットした実用仕様「LOWFER TOURER 1」（ローファーツアラー1）のコンプリートカーも用意されています。こちらはGTウイングが付きますがフロントバンパーはノーマルままとなります。車両本体価格は197万3400円です。

　もうひとつのグレード「LOWFER TOURER 2」（ローファーツアラー2）は、細かなエンブレム類を除いて外観・仕様はほぼ「AERO TOURER」に準じています。車両本体価格は201万6300円です。このように、コストにシビアな軽ユーザーを理解したモンスターならではのラインアップが揃っています。

　また、近年のキャンパーブームを追い風に「タジマキャンパー」ブランドからリリースされているエブリイワゴンベースのキャンパー仕様もかなりの人気です。この「E340W」の車両価格は259万6000円〜。その維持費の安さも含めると、シニア層の趣味としてちょういどいい憎らしい価格帯です。

　渓流釣りに向かう道など、入り組んだ細い道路は軽自動車が得意とするところ。それでいて身長180cmの人も余裕で寝転がれるフルフラットのベッドボードや、換気のためのサブ電源などソロキャンプの夢が広がる装備が盛り沢山です（一部オプション）。車内のボードは簡易的なテーブルとしても活用でき、照明の位置もちょうどいいのでモバイルオフィスとしても使えそうなのもイマドキです。

　そしてこのタジマキャンパーをベースに、モンスター仕様にすることも可能なのです。その際は、エアロバイザーと網戸など共着できない装備もあるので注意しましょう。また、ターボに5速MT仕様があるため、隠れた人気のエブリイバンですが、バンベースのキャンパーをモンスター化する際にはマフラーなど一部適合しないパーツがあったりするのでプロショップでしっかりと相談しながら組んでいきましょう。

　気になるマフラーサウンドや実走インプレは、モンスターのオフィシャル動画サイト「MONSTER SPORT Movie」がとても参考になります。車両の紹介だけに留まらず、開発秘話やふだん見ることのできない工場見学の模様など、興味深いコンテンツが盛りだくさん展開されています。まだ見てない方は要チェックです。

［モンスタースポーツエブリイワゴンAERO TOURER 主要諸元］

■ベース車両：エブリイワゴン（DA17W）2WD・4速AT

●TYPE Sp-GW マフラーターボ / 4速AT / 2WD・4WD用

●レーシングオイルフィラーキャップ（レッド／アルミ）

●サスペンションセット（ノーマル形状） 2WD用

●ブレーキパッド type-e フロント用

●ウィンドウエアロバイザー

●GTウイングハイルーフ用（※塗装込）

●ルームミラーカウル（SUZUKI純正アクセサリー）

●エアロダイナミクスバンパーフロント用（※塗装込）

●POLARG LED （ナンバー&ルーム）

●ピラーメーターフード（グレーシボ塗装）