8ウェイパワーシートやシートヒーターなどの快適装備も充実
エクステリアデザインこそMTモデルとの差異を前述のブレンボブレーキの装備で補完するしかないが、それ以外は迫力のブリスターフェンダーや、2010年に追加される4ドアモデルでは大型リヤスポイラーの装備が可能で、見た目の違いはほとんどない。
一方インテリアに目を移すと、こちらも基本的な装備は共通としながら、オプションの設定が異なる。MTモデルでは選択できない本革電動シートやサンルーフがチョイスできるほか、クルーズコントロールも装備される。このあたりはグランドツーリング性能を兼ねたプレミアムスポーツモデルらしい設定だ。
また、シートはブラックレザーの他「プレミアムタンインテリア」も用意されており、シートのほかステアリングもタンレザーとのコンビレザーになる。さらに、2010年にはWRX STI A-Lineをベースにふたつのスペシャルモデルが登場。
1台目は「WRX STI A-Line type S」で、アルカンターラと本革を組み合わせた専用シートを採用し、インテリアのステッチにはMTモデル同様「レッドステッチ」が採用された。オプションとしてRECARO製フロントシートが設定されていたこともトピックで、エクステリアではアルミホイールをスペックC用と同じガンメタリック塗装の軽量タイプが奢られた(後期モデルに設定されたタイプSでは別デザインとなる)。その姿はメーカーオプションのゴールドのブレンボキャリパーと合わせてかなりスペックCに近いエクステリアイメージであった。
2010年12月には珠玉のSTI製コンプリートカー「A-Line tS」も登場
そして、もう一台のスペシャルモデルが、STIが手掛けたコンプリートカー「WRX STI A-Line tS」だ。STIの手掛ける珠玉の足まわりに加え、なんとドライカーボン製ルーフまでも備える本格的なコンプリートモデルとなっていた。
A-Lineは2ペダルでイージーにスポーツドライビングを楽しめるモデルとして登場したが、その役割をWRX S4へ託すと同時に、モデル唯一のWRX STIとしてスポーツモデルの常識を覆し、ATだから……と言わせない一石を投じたモデルといえるだろう。