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頂上付近が凍結のため15年ぶりのコース短縮で開催! ツインモーター・リーフはマシントラブルに泣く【第99回パイクスピーク】

吉原大二郎選手はセーフティモードに苦しみながらも完走

 6月27日(日)、アメリカ・コロラド州にあるパイクスピーク(標高4302m)を舞台に、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムが開催された。

 1916年から行われていて、世界で2番目に古い歴史を持つこのレースは、パイクスピーク山に誰が一番速く駆け上がれるかを競う、別名「The Race to the Clouds(雲へ向かうレース)」とも呼ばれているレースである。コースは、全長12.42マイル(約20km)で、そのスタート地点の標高は2862m。ゴール地点となる山頂までの標高差は1440mとなる。このコースを1台ずつタイムアタックするのだ。

 

頂上付近に積雪しコース路面は凍結

 しかし、今年の大会は、気象状況のためコース短縮を余儀なくされた。前夜から頂上付近に積雪があり、一部ではコース上の路面が凍結していたのだ。全車が同じ9.29マイルのコースを走行するので競技自体には勝者が生まれるものの、走行タイムの記録は参照値となってしまう。

 この99回目の大会で最も速いタイムを叩き出したのは、2年前にもこのパイクスピークで総合優勝を果たしたロビン・シュート選手(#49 2018年式Wolf GB08 TSC-LT0)であった。この日唯一の5分台をマークした5分55秒246のタイムで2度目の総合優勝を果たすこととなった。

 今年唯一の参戦日本人選手となった吉原大二郎選手(エキシビジョンクラス)は、昨年トヨタ86で10分05秒006のタイムを出して、アンリミテッドクラス優勝(総合9位)しているが、今回は電気自動車であるテスラ・モデル3で挑戦している。予選でも練習走行でも好調であったものの、この決勝を前にして車両がセーフティモードに入ってしまったようで、この状態のまま出走してしまい、結果昨年のタイムよりも遅い11分41秒162のタイムでゴールした。

 

ツインモーターリーフは制御系のエラーが発生

 今回、奴田原文雄選手に替わって大井貴之選手がドライバーを務めたSAMURAI SPEEDの日産リーフe+改は、リーフe+のモーターを2基搭載した4WD仕様だったが、システム制御系のエラーが発生。その後も異なる不具合が散発したことで、練習走行に参加できないまま今年のパイクスピークを終えることとなってしまっている。ただ、レースウイーク中も懸命にその復帰に注力し、無事に走行テストは終えており、来年に向けたデータ取りも行なえたとしている。

 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは来年100回大会を迎えることとなった。節目となる記念すべき大会は2022年6月26日が決勝となる予定だ。

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