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夏キャンプの「虫対策」で再び脚光! 意外と侮れない「蚊取り線香」の効能

キャンプ・アウトドアの虫除けは殺虫よりも
忌避効果を優先しよう

 夏季のキャンプといえば虫の存在は避けて通れないイベントのようなもの。できれば思い出づくりのエピソードとしてそれも楽しんでほしいところです。

 ですが刺されたり突撃されたりするのはやっぱり鬱陶しい。なるべく快適なキャンプ・野外活動のためには最低限度の虫除け対策はどうしても必要です。

 とはいっても、完全ブロックするならモスキートネットやメッシュのあるタープでも用意するしかありませんが、オープンタイプのタープではランタンの灯りに虫が飛び込んでくるのは仕方ありません。虫を嫌うあまり殺虫効果が高過ぎると料理のお皿に死骸が振り続けることになりますし、ただでさえ暗がりなのですからうっかり食べてしまうことになりかねません。

 

忌避効果を優先した蚊取線香こそもっと再評価されて然るべきだ

 最低限蚊やブヨに刺されないような対策を取りつつ、キャンプのワイルドな楽しみを失わない虫除け対策をするには蚊取線香がおすすめです。蚊のみならず広範な虫に忌避効果がありますので、足元や風上に複数焚いて虫を寄せ付けない「結界」を作ることができます。なにより電源を必要としませんので災害時にも役立ちます。

 そもそも蚊取線香は日本除虫菊創業者・上山英一郎によって1902年(明治35年)に考案・発売された日本の発明品です。2本でワンセットになっているのも「ダブルコイル製法」として発案されたもので製造工程の効率化と輸送時の折損防止をも実現した優れたアイデアなのです。

 サッシや網戸、空調の普及で住宅の密閉度が上がったため蚊取線香の出番は減っていますが、虫の多い夏の野外でこそ実力を発揮するアイテムです。

 

野外専用の太巻きタイプで煙・忌避成分ともに大幅アップ

 最近アウトドアへの関心が高まり野外専用の蚊取線香が各社からリリースされるようになりました。煙量が多く、高い忌避効果が期待できるため農作業や山仕事などにも助っ人となるプロ仕様ともいえる蚊取線香です。

 専用の携帯ホルダーで腰にぶら下げれば野外を歩いても虫除けが可能ですし、蓋によって着火した蚊取線香が被覆され防火・火傷防止など安全に使用できます。太巻きは熱量も大きいためぜひ専用ホルダーで使用することをおすすめします。

 蚊取線香は着火した本数と煙量が比例しますのでレギュラータイプの蚊取線香でも複数本着火したり、あるいは両側から着火したりすることで煙量を増やすことができます。キャンプ中に1本焚いても効果がないときは複数着火し置き場所などを工夫してみてください。なお、混雑したキャンプ場ではお隣に声がけするなどマナーに気を配って使用してください。

殺虫スプレーはテント内に! 就寝前にひと吹きすれば朝まで虫除け

 殺虫専用のスプレーやワンプッシュタイプの殺虫剤は薬量も多く虫を瞬殺できますが、野外で使用するのはあまり効果的とは言えません。ガス缶は可燃性ガスを使用していますので火気を使用しているキャンプでは引火の危険もあります。テントを設営したらテント内にひと吹きしておけば防虫されますし就寝中の蚊取線香は火災のリスクがありますので殺虫スプレーを上手に併用してください。

 また、虫刺され防止には直接肌に塗布するスキンガードタイプの忌避剤との併用が効果的です。近年ジカ熱やデング熱対策に虫除け成分のディートの濃度が30%まで認可されるようになりました。ディートの濃度は持続時間を長くしますが肌が弱い方は低濃度タイプを使用してください。また虫刺され薬、とくにブヨなど化膿しやすい咬傷対策には抗ヒスタミン剤・ステロイド系の虫刺され薬を常備しておくと安心です。

 夏キャンの虫除け対策、いかがでしたでしょうか。この夏、キャンプを予定している方はぜひ蚊取線香を再考してみてください。とくに太巻きタイプは眺めているだけでも心強くなってきて、早速キャンプで試してみたくなるから不思議です。精神的にも安心効果があるのかもしれません。 陶器でできた蚊取り線香を吊るす「豚」といっしょに、うちわ片手に涼みながらキャンプなんていうのも、乙でございますね。

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